カジノ法案の内容(特定複合観光施設区域の整備)と開業場所を考察

時事

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カジノ法案 EYE


いよいよ日本でもカジノが、ついに解禁になりそうですね。

このカジノ解禁の法案は、正式名称は

『IR推進法案』

です。

もし、実際にカジノ法案が成立した場合、日本の国民にはどのような影響が出るのでしょうか。

また、政府がもくろんでいるカジノによる海外旅行者の誘致は、本当に果たせるのでしょうか。

それに国民のギャンブル依存が増えるのではないか、という不安も耳にします。

そこで今回は、『IR推進法案』通称:カジノ法案が成立した場合、日本でのカジノ開業はいつになるのか。

また、カジノが建設される場所はどこになるのか。

ということで、今回は『IR推進法案』の法案の内容と、開業場所とその時期の考察をしてみました。

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日本にもカジノができる?カジノ法案!

まず、このカジノ法案『IR推進法案』とは、どのような法案で、何を目的にしているのか、そこから解説していきましょう。

カジノ法案(IR推進法案)の内容を解説

そもそもIRとはなに?

IRとは

Integrated Resort

の略称で、その意味は、

Integrated(統合された)

Resort(リゾート)

となります。

日本語では

統合型リゾート

というものです。

IR推進法案の内容と目的は?

統合型リゾート(IR)といっても、実際には日本でこれまで禁止されてきたカジノの解禁が目玉になります。

海外でもカジノが解禁されている所は多数ありますが、観光客増加や、外貨収支の改善などには、かなり寄与しているようです。

それを2020年の東京オリンピックに合わせて建設し、日本への観光客のさらなる増加や、周辺地域の経済活性化などを目的にしています。

それにあわせて日本全体の発展を目指す、というのがカジノ法案の主な目的です。

それでは、IRの内容をもう少し詳しく見てみましょう。

統合型リゾートに建設される施設は、

  • カジノ
  • 国際会議場
  • 種々の展示施設
  • ホテル
  • レストラン
  • 商業施設(ショッピングモール)
  • 劇場
  • 映画館
  • アミューズメントパーク
  • スポーツ施設
  • 温浴施設(温泉)

など、ざっと挙げただけでも多数あります。

もちろん、この全てが必ず建設されるというわけではありません。

つまりは、非常に広範囲に、様々な目的を持った施設が、集中した形で、統合されて存在することですね。

要は、その場所へ行けば

とにかくたくさん楽しめる

のが目的であり、メリットでもあります。

この統合型リゾート(IR)の代表的なものは、なんといってもアメリカのラスベガスです。

アジアでは、マカオやシンガポールにも、同様の巨大な施設があります。

これらの都市や地域は、非常に繁栄しているので、それを真似て日本にも導入しよう、というのが政府の目論見です。

しかも、2020年には東京オリンピックが開催されるので、それにあわせてIRを作れば、大きな相乗効果が期待できるわけです。

ただ、この法案によるカジノを含む統合型リゾートが、実際に建設された場合の、国民への影響については、賛否両論があります。

メリットについては、上記のような

経済面への寄与

が、最も大きいでしょう。

その地域への観光客増加などの直接的な面だけでなく、日本全体の活性化にも繋がります。

「日本へ行けばなんでもあって、なんでもできる」

という世界の声は、日本にとって非常に大きなメリットとなるでしょう。

一方で、負の面(デメリット)を心配する声も多数あります。

その一番大きなデメリットは、

ギャンブルに依存する人が増える

のではないかと言われています。

日本にはギャンブル依存症の人が、

約500万人以上もいる

そうです。

ギャンブルに依存してしまうと、破産はもちろんのこと、一家離散や自ら命を絶つなどもあります。

合法カジノができてしまえば、さらにそれを助長するのではないか、という説がそのデメリット論の根拠です。

しかし、一般社団法人『ギャンブル依存症問題を考える会』の代表も、カジノ法案には直接反対していないところからみても、

統合リゾートのオープン = ギャンブルに依存する人の増加

という図式は、あまりにも短絡的だとわかっているのでしょう。

逆に合法カジノの開業により、非合法の裏カジノや、競馬のノミ(違法馬券)などが減ることによって、治安が良くなることも考えられます。

 

1920年~30年代にかけてのアメリカの禁酒法実施では、こんなことがありました。

禁酒法を施行したばかりに、密造酒作りや、その元締めであるいわゆる

マフィアやギャング、さらには密造酒を売る酒場(スピークイージー)

が爆発的に増加してしまったのです。

このあたりは、アメリカのテレビドラマ『アンタッチャブル』や、『ローリングトゥエンティ』などにも、しばしば登場していましたね。

その結果として、アメリカの治安の悪化や、粗悪な密造酒によるメチルアルコール中毒の増加など、デメリットばかりが目立つありさまでした。

現在の日本のカジノ問題も、それに似たところがあると思います。

なにごとも『禁止すればそれでOK』ではないのです。

 

一方で、統合リゾート施設の建築までの工程の問題もあります。

東京オリンピックまでに、統合リゾートの設置建設が間に合うのか

という問題です。

段階を見てみると、気の遠くなるような迂遠さ、複雑さです。

統合リゾートでのカジノ開業への工程

1 IR推進法案の国会での成立(既に成立)。

2 IR推進法制定後、政府内に組織で実際面の枠組みを決定。

3 IR実施法案を国会で成立させる(2018年?)。

4 国の規制機関を設ける。

5 国が地方公共団体の申請を受け、特定複合観光施設(IR)区域を指定する。

(これが短くても半年、長ければ1年間)

6 指定を受けた地方公共団体が、開発を担う民間事業者を選定する。

(基本計画策定に1年程度、環境アセスメントや都市計画手続きに1年以上)

7 開発を担う民間事業者が、カジノの免許を申請して取得する。

8 民間事業者が統合リゾートの建設設置を行う。

(基本設計に約半年、認定や建築確認に約1年半~2年)

9 実際にカジノの運営を開始する。

(建設に2~3年程度)

まずは、『1』の国会でのIR推進法の成立待ちでしたが、これは2016年12月15日に、すったもんだの挙げ句に成立しました。

それはよいのですが、この先『2』から『9』までの段階を、2020年までの3年間で全てクリアできるものでしょうか。

3の『IR実施法案』の国会での成立は、2018年の通常国会に先送りとなってしまいました。

2018年からの2年間で、上の4から9まで全てクリアというのは、全く現実離れしていますね。

つまり、オリンピックまでにカジノの運営など、絶対にできるわけがないのです。

2020年の時点では、よくてもせいぜい『5』か『6』の段階ではないでしょうか。

つまり、

東京オリンピックまでにカジノの営業を始めることは、絶対不可能

ということですね。

そうは言っても、統合リゾートの建設による経済的メリットそのものは、東京オリンピックに間に合わなくても、恩恵は得られるはずです。

ですので、カジノを建設しない理由にはならないでしょう。

 

日本でのカジノ開業はいつ?その場所を予想!

さて、日本でのカジノ開業はいつになるのか。

現時点では不明ですが、予想することはできます。

上記の工程を見ても、2020年の時点では

5 国が地方公共団体の申請を受け、特定複合観光施設(IR)区域を指定する

6 指定を受けた地方公共団体が、開発を担う民間事業者を選定する

のいずれかでしょう。

そこから実際のカジノ建設をはじめて完成するまでには、数年はかかります。

となると、合法カジノ開業は、早くても

2023年から2025年

あたりではないでしょうか。

また、特定複合観光施設(統合リゾート施設)の場所が、どこになるか、さらには何カ所くらいになるかは、予想が難しいところです。

いきなり大都市でやって失敗すると困るので、最初はやや小型の都市で実験的に行い、大都市はその後で、という説もあります。

その点で、

最初の統合リゾート建設地で有力なのは、横浜

と言われています。

また、現在統合リゾート地域の候補となっている場所もあるので、紹介しておきましょう。

統合リゾート地域の候補

北海道 (小樽・釧路)

宮城県 (仙台)

千葉県 (幕張新都心・成田空港)

東京都 (お台場・築地)

神奈川県 (横浜)

静岡県 (熱海)

大阪府 (舞洲・USJ・関西空港)

長崎県 (佐世保・ハウステンボス)

宮崎県 (フェニックスシーガイア)

沖縄県 (美ら海・ネオパークオキナワ)

などです。

これらの候補地は名乗り出たり、取り止めになったりで、かなり変動しているようです。

今の段階では参加表明も取り止めも、全て非公式の段階なので、それも当然かもしれません。

この内、これまで最有力候補は、

お台場

とされていました。

しかし、東京オリンピックまでに建設が間に合わない現状を見ると、お台場に建築する優先度としては、低めになっているのではないでしょうか。

その他では、大阪、横浜、沖縄、北海道あたりが、有力候補地と言われています。

また、東京の場合は、移転後の築地市場跡が気にかかります。

なにせ、

ラスベガスのカジノ運営企業、米MGMリゾーツ・インターナショナルが、カジノ建設に名乗り

を挙げているからです。

築地は、銀座などの都心にも近く、交通の便も良いので、企業側からみれば、非常に魅力的な立地条件でしょう。

しかも、

築地市場の地権者は東京都だけ

なのです。

つまり、面倒な地権者との合意は、都が首を縦に振れば、それで済むのです。

築地市場の敷地面積は23万833平方メートルで、東京ドームおよそ5つ分あります。

ですので、統合リゾートとしては、やや狭いという感は否めませんが、その他の条件の良さは、その欠点を補って余りあるでしょう。

これはもしかしたら、もしかするかも知れませんね!

統合リゾート地域の最有力候補地は?

統合リゾート地域の有力候補地として

大阪・横浜

の2箇所が挙げられています。

この2つの候補地は、共に首長自らが意欲的で、積極的にIR誘致を推し進めています。

大阪

まず大阪ですが、こちらはかなり前からIR誘致には積極的でした。

日本全国各地のIR候補地の中でも、もっとも積極的と言えるかもしれません。

ひとつには、

カジノと万博の二大目玉

で相乗効果を狙うということもあるのでしょう。

大阪府の2017年度当初予算案では、IR関連の『統合型リゾート大阪立地推進』予算として、

前年度の2136万円から2倍以上にもなる4770万円を計上

しました。

なお、横浜市の予算は1000万円なので、大阪府のIR誘致への意欲が明瞭に現れていますね。

また、大阪でのIR施設の機能や交通アクセス、ギャンブル依存症等の課題への対応などまでもりこんだ、

大阪IR構想(素案)の作成

や、IRへの府民の理解を促進するための説明会なども、すでに実施しているのです。

大阪府のIR候補地は、

夢洲(ゆめしま)

です。

2025年の国際博覧会(万博)の誘致と共に、IRも同時に誘致して、文字通りの『ドリームランド』にしてしまおう、という魂胆なのです。

さらに、大阪府の松井一郎府知事には、2024年予定のIR開業を1年前倒しにする考えもあるようです。

もし、松井一郎府知事の思惑通りに、万博とIRが同時に誘致できれば、大阪にとっては史上最大のイベントとなることでしょう。

それにもし、万博が誘致できない場合でも、IR誘致は積極的に推し進める方針のようです。

というわけで、大阪府がいま現在のIR誘致の最有力候補であることは、間違いないでしょうね。

横浜

この大阪のIR誘致強力推進に対して、横浜も負けてはいられません。

県知事の黒岩祐治氏も、

県内自治体が誘致を決定した場合は、県として全面的にバックアップする

と公言しています。

実際のIR候補地は、横浜でほぼ決定ですが、横浜市の林文子市長の発言には、一時期にIR誘致に対する積極性が消えていたようです。

これは2017年7月の横浜市長選挙をにらんでの配慮だったのでしょう。

他の3候補は、いずれもIR誘致には批判的だったのです。

市長選の結果は、林文子氏の圧勝という形で終わりましたので、この先はまたIR誘致のトーンもアップしていくのかもしれませんね。

神奈川県横浜市のIR候補地は山下ふ頭で、ここに『ハーバーリゾート』を作ろうという計画です。

これも大阪同様に、山下ふ頭地域にカジノや商業エリア、大型ホテルを併設した大規模リゾート計画です。

2020年の東京オリンピック開催までにカジノが建設できれば、東京オリンピックの観戦者がカジノで遊べる大きなメリットがあります。

しかし、上記のように2020年までにIR建設という工程は、すでに不可能になっています。

この点が、横浜がいまひとつIR誘致に盛り上がらない原因のひとつでしょう。

 

まとめ

カジノ法案(IR推進法案)により、日本でも、ラスベガスやマカオ、シンガポールのような、合法カジノが作られる可能性が高くなってきました。

この合法カジノ法案には賛否両論がありますが、経済的メリットは間違いなくあるでしょう。

ただし、カジノ法案が成立しても、実際に日本に合法カジノができるまでには、かなりの時間がかかりそうです。

筆者の予想では、現実にカジノが開業するのは、早くても2023年から2025年あたりでしょう。

そして、カジノが建設される場所ですが、最初の統合リゾートとしては、大阪や横浜が有力ですが、築地市場跡という大穴も考えられます。

この合法カジノ法案には、ギャンブルに依存する人の増加や、治安の悪化というマイナス面も予想されます。

はたしてその点は大丈夫なのでしょうか。

不安はどうしても残りますね。

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