
ペスト、コレラ、結核など、これまで数々のパンデミックが世界を襲いました。
フィクションの世界では、犯罪に用いる作品もいくつか公開されています。
そして、
カンヌ国際映画祭や、シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭
などを通じ、世界で話題となった韓国映画『新感染ファイナルエクスプレス』。
この映画もその一つで、2017年9月に日本で公開。
そこで、本記事で、映画『新感染ファイナルエクスプレス』のストーリーや結末ネタバレをお話していきましょう。
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パンデミックをテーマに描くパニック映画
これまで数々のパニック映画が存在しています。
その中でも『日本沈没』や『JAWS』など、国内外の映画で有名どころは、外部からの衝撃によるパニック映画という印象が強いように思います。
『JAWS』は凶暴なサメが人を襲うという映画で、サメに襲われ命を落とすかもしれない恐怖との対峙が描かれていました。
また『日本沈没』は、地震という自然災害に襲われる恐怖との対峙が描かれていました。
このように、何かしらの大規模な外部的な要因によって、パニックに陥ってしまう映画は、たくさん公開されてきているのです。
そして、サイレントキラーともいうべき
ウイルス感染によるパンデミック
がテーマとして描かれたパニック映画もいくつか公開されています。
たとえば、2008年に公開された映画『感染列島』がその一つ。
この映画は、妻夫木聡さん主演映画として公開されています。
新型ウイルスが爆発的に伝播してしまうと、人々にどのような影響が生まれていくのか。
人々はどのようにそれに対処していけば良いのか、シミュレートした映画でもあります。
そして、妻夫木聡さん演じる救命救急医たち、人類たちのリアルな闘いが描かれた映画として多くの人たちから注目されました。
パンデミックをテーマにした作品を公開することで、世界中に恐怖だけを与えている批判の声もあるでしょう。
とくに、今の日本は自然災害があちこちで発生していて、今でも避難生活している人がいます。
豪雨で行方不明になった人が、ようやく見つかったというニュースも耳にするくらいですから、この手のパニック映画は不謹慎かもしれません。
しかし、万が一のパンデミックに備えて、人々がどのように対処していけば良いのか。
そのシミュレーションという位置づけで、メッセージを与えてくれているのであれば、その重要性は計り知れないと思います。
そこで、2017年9月に日本公開の映画『新感染ファイナルエクスプレス』です。
この映画は、2016年7月20日に韓国公開の『ゾンビ映画』という位置づけの映画なのです。
しかしそれは、ゾンビが増殖する意味合いに過ぎません。
これまでにも、ゾンビ映画はたくさん公開されています。
例えば、哀川翔さんが主演した『Zアイランド』のように、ある程度の広さを持つ場所で、人々がゾンビ化してしまう作品が主流です。
Zアイランドの結末は?ストーリーあらすじとネタバレをチェック!
しかし、映画『新感染ファイナルエクスプレス』は、これまでのゾンビ映画と全く装いが違うのです。
まさにパニック映画となるのですが、ただゾンビウイルスが感染爆発する場所が、
高速鉄道という限定された狭い場所で、かつ時速300kmで動いている列車
で起こっている、斬新な設定で描かれているからなのです。
これが乗客だけがウイルスに感染して終わりなら、ただのゾンビ映画で終わっていくのかもしれません。
感染するのは、乗客だけでなく乗務員たちも感染していくために、列車がぶつかり爆破して乗客が吹き飛ぶ恐怖が生まれていくのです。
ウイルス感染による恐怖だけでなく、全く逃げ場がなく、列車事故をも巻き込む外部的恐怖のミックス演出が、さらなる恐怖を煽り立てます。
結果として、『新感染ファイナルエクスプレス』が、世界で絶賛された映画となっているのです。
冒頭でもお話したように、この映画は、カンヌ国際映画祭、シッチェス・カタロニア国際ファンタスティック映画祭でも公開されています。
そのたびに世界から絶賛の声が挙がったようです。
小説家・スティーヴン・キング氏は、
「ウォーキング・デッドよりドキドキだ!!」
とコメント。
映画『パシフィック・リム』の監督:ギレルモ・デル・トロ氏も、
「完璧!ハラハラしっぱなし!傑作!その目で確かめて!」
とコメントし大絶賛。
その他にも世界の名だたる巨匠が大絶賛のコメントを、この映画『新感染ファイナルエクスプレス』に寄せているので、いかにすごい映画なのか伺えます。
これまでのパニック映画には、
- 外部要因による作品(『JAWS』、『日本沈没』など…)
- サイレントキラーをテーマに描いた作品(『感染列島』など…)
でしたが、両方の要素を持つ、合わせ技な映画作品はありませんでした。
しかし、この映画『新感染ファイナルエクスプレス』は、サイレントキラーの部分で、ゾンビ感染をテーマに描いています。
それに、もう一つの外部要因として、時速300kmで暴走してしまう高速鉄道によって生まれる恐怖も描いています。
だからこそ斬新なゾンビ映画であり、かつパニック映画なのです。
ぜひみなさんも、いかに恐怖の世界を煽りながら最高傑作として描かれているのか、その目で確かめてくださいね。
映画『新感染ファイナルエクスプレス』のストーリーあらすじ
世界中で絶賛の声が巻き起こった映画『新感染ファイナルエクスプレス』。
そこまですごい映画とあれば、やはりストーリーあらすじは気になるところです。
では、簡単ながら映画『新感染ファイナルエクスプレス』のストーリーあらすじをお話していきましょう。
ファンドマネージャーのゾク(役:コン・ユ)は、仕事にしか関心がなく、家族を顧みないダメ夫(父)でした。
既に妻とは別居中…。
娘・スアン(役:キム・スアン)の誕生日にも、同じものをプレゼントする関心のなさには呆れるばかり。
そんなゾクが、ある日、娘に
「(誕生日プレゼントで…)他に何がほしい」
と質問すると、
「釜山に行ってお母さんに会いたい」
と返答し、はじめは反対するも、娘と釜山に行くことになります。
二人は、ソウル発プサン行きの高速鉄道KTXに乗り込むのです。
その列車には、妊娠中の妻ソンギョン(役:チョン・ユミ)に寄り添うサンファ(役:マ・ドンソク)をはじめ、様々な素性の人々が乗り込んでいます。
野球チームに所属する高校生たち。
老人姉妹のインギル(役:イェ・スジョン)、チョンギル(役:パク・ミョンシン)。
さらには、高速バス会社のヨンサク(役:キム・ウィソン)。
これからそれぞれの長旅が始まろうとしていたところでした。
そんな列車が出発しようという最中、ある謎の少女が誰にも知られることなく、こっそり乗車してきたのです。
そして、列車が出発し、スアンが窓の景色を楽しんでいると、途中停車している駅のホームで、とある人が人に襲われている光景を目にします。
はじめは、ただのいざこざとしてスルーしていたのです。
しかし、その襲われた人たちが列車に乗り込み、車掌をも襲い、突如、別車両の乗客たちが、ゾンビ化する感染爆発が発生してしまうのです。
しかも、その列車は、ゾンビが乗り込んでしまった後、止まることなく、時速300kmで暴走してしまうわけです。
限られた密室空間でゾンビになるかもしれない恐怖だけでなく、列車そのものが大事故に陥るかもしれない…。
そんな最大級の恐怖にゾクたちは襲われてしまうのです。
なんとしても命を守り、無事、釜山に辿り付かなければとゾクたちは、壮絶な闘いを繰り広げていくことになります。
果たして、無事ゾクたちは釜山に終着することができるのでしょうか。
そして、誰にも知られず乗り込んで来た謎の少女とは一体何者なのか…。
以上が、映画『新感染ファイナルエクスプレス』のストーリーあらすじとなっています。
娘の願いを叶えるために、釜山へと向かったばっかりに、ゾンビ列車に乗り込む羽目となってしまったゾクと娘・スアン…。
また、一方では、
新たな生命を授かり夫婦ともに幸せを噛み締めているサンファとソンギョン。
野球チームの選手として頑張る高校生。
列車旅を満喫しているかに見えるインギル・チョンギル姉妹。
それぞれの想いが、この列車には詰まっています。
そんな人の想いや人生を、一瞬にして台無しとし、恐怖に変えてしまうパンデミック!!
まさに許しがたい状況となってしまいました。
それぞれが、『この列車に乗車してしまったばかりに…』と後悔していることでしょう。
しかし、後悔してばかりでは前に進みません。
パンデミックの毒牙に襲われないように戦うしか道はないのです。
完全なるパニック状態で、彼らはどのように闘い、無事平穏な日々を取り戻すのでしょうか。
ストーリーの結末ネタバレは、後ほどお話していきます。
ただ、ぜひその答えは、自身の目で確かめて欲しいですね。
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映画『新感染ファイナルエクスプレス』のストーリー結末
さて、最後に、映画『新感染ファイナルエクスプレス』のストーリー結末をお話していきます。
ゾクたちは、時速300kmで走る暴走列車に乗りながら、まだ感染していない車両に逃げのび、どこかの駅で停車してくれることをただ願っていました。
列車そのものが自動運転していたのか、列車(高速鉄道KTX)が、とある駅に到着します。
命からがら逃げ延びたゾクたち。
列車を降り、別の列車へと向かい、救助を求めます。
その駅には軍隊も到着しているので、ゾクたちは軍隊を信じて駆け込んだのですが、なぜかその軍隊までもゾンビ感染してしまい暴走中…。
結局ゾクたちは、元のKTXへと逆戻りするハメに。
そこで誰もゾンビウイルスに感染していない車両に逃げようとしますが、その車両にいた乗客たちが、ゾクたちは既に感染していると誤解し拒絶…。
結局ゾクたちは、その車両には逃げ込めず、別車両で軍隊などと戦う羽目に陥ります。
なんとか一人の女性と、娘・スアンを守ることができたゾクでしたが、代わりに負傷してしまい、遂にゾンビ感染してしまうのです。
ゾクは、娘と女性を残し、窓から身を投げてしまいました。
スアンと一人の女性は、無事釜山にたどり着きますが、そこに待ち構えていた兵士が、この娘も感染していると誤解し、排除しようと動き始めます。
その最中、スアンが歌を歌い始めると、兵士の動きが止まり、最後に残った二人は救われたのです。
と、『新感染ファイナルエクスプレス』は、こんな感じのストーリー結末になっています。
細かい部分においては、ぜひ劇場で確認してください。
ちなみに、ラストは、恐怖映画・ゾンビ映画ではありえないような、涙なしでは見られない感動の結末が描かれています。
ソンギョンの子供が生まれたか、そもそも娘・スアンと共に逃げてきた女性とは一体誰なのか。
そして、最初に乗り合わせていた謎の少女の正体も非常に気になるところでしょう。
まとめ
ゾンビウイルスに感染するサイレントキラーな部分、そして、時速300kmで走る閉塞空間(高速鉄道の列車事故)。
これが同時に起こるかもしれない両方の恐怖が襲い掛かる映画『新感染ファイナルエクスプレス』。
もはや、ゾンビ映画の枠を超えた最大級のパニック映画だと筆者は捉えています。
それにただ恐怖を視聴者に植え付けるだけでなく、この映画『新感染ファイナルエクスプレス』を通じて、訴えたいメッセージ性も奥底に感じられます。
9月1日の防災の日に公開されるのも、何かの意味があるのかも…。
ぜひ、恐怖映画として楽しむだけでなく、その裏側を感じ取り、映画の醍醐味を体感してみてください。