星々の煌めき

インターネットの中に漂流する今をときめくネタを語ります!

小説

筒井康隆作品のおすすめランキングを紹介!おもしろい小説はコレ!

投稿日:

小説が好きな人で、筒井康隆さんの名を知らない人は少ないでしょう。

一風変わった、あるいは先鋭的な、時には鋭い風刺や毒舌、そんな中味がはち切れんばかりに満載された、その小説の魅力。

これにハマったら、

『もう一生その呪縛からは逃れられないのではないか』

と思う程、強力な魅力に満ちあふれた小説ばかりです。

禁忌とされている領域にも脚を、いや筆を踏み込み、『なんとか解放同盟』とか、『かんとか反対組織』と、苛烈な戦いを交えたりもします。

自分の出自まで小説の材料にし、筒井順慶の子孫と称したり(小説内で)もしています。

実際には筒井順慶の足軽の子孫らしいのですが、話としては筒井順慶の子孫の方が面白いですよね。

今回は、そんな筒井康隆さんの作品の中から、面白い小説はコレ!と、おすすめランキングをお話していきましょう!

スポンサーリンク

スポンサーリンク

筒井康隆作品のおすすめランキング!

いざ筒井康隆作品のおすすめランキングを選ぶとなると、どれを選んだらよいのか、おおいに迷ってしまいます。

筆者は、筒井康隆さんの大ファンであり、オマージュとして筒井『まがい』の小説まで書いてしまいました。

むろん、シロトの手すさびで人に見せられるものではありません。

そのくらいに筒井康隆さんに入れ込んでいたということですね。

日本のSF作家では、もうひとり半村良さんにも、同じくらいの思い入れがありますが、二人共、異色かつ出色の作家です。

ということで、ない知恵と勇気を振り絞って、独断と偏見(だけ)による筒井康隆作品のおすすめランキングを書いてみました。

なお、この評価とおすすめは、あくまで筆者が実際に読んだ感想に基づくものです。

  1. 最後の喫煙者 1987年
  2. ベトナム観光公社 1967年
  3. 農協月へ行く 1973年(単行本の発刊年)
  4. 日本以外全部沈没 1974年
  5. 最高級有機質肥料 1997年(単行本の発刊年)
  6. 大いなる助走 1979年
  7. メタモルフォセス群島 1976年
  8. アルファルファ作戦 1968年(単行本の発刊年)
  9. 公共伏魔殿 1996年(単行本の発刊年)
  10. 蟹甲癬 1979年(単行本の発刊年)
  11. 七瀬ふたたび 1975年
  12. 時をかける少女 1967年

こうしてリストアップして見ますと、おすすめできる筒井康隆さんの作品には、初期の作品が多いですね。

1960年代から1970年代にかけての、筒井康隆さんの作品は

『とにかく凄い!』

という名作ばかりでした。

当時の作風は、『名作』と書くより『迷作』と書きたいような作風だったのです。

もちろん、『まとも』な作風のものもあります。

『七瀬ふたたび』や『時をかける少女』などがそれにあたります。

ただ、筆者の個人的好みとして『ゲテモノ』が好き、という困った趣味があります。

その趣味のために、おすすめランキングは初期の作品に偏ってしまったわけです。

 

筒井康隆作品のこれが面白い!ここが面白い!

それでは、筒井康隆作品の各作品で、これが面白い!ここが面白い!という簡単な紹介をしていきましょう。

筒井康隆おすすめランキング作品の簡単な紹介

1.最後の喫煙者

この短篇は、1987年10月の『小説新潮』に発表された小説。

当時は大きな反響を呼びました。

現在でも

禁煙ファシズムなどと呼ばれる、全体主義的な禁煙・嫌煙・嫌煙権運動

が盛んですね。

某政党で大臣をやっていた女性が、自分の好みで禁煙嫌煙を推し進めたりしていました。

当時はその嫌煙運動が始まった時期なのです。

主人公はヘビースモーカーの小説家。

ところが、嫌煙運動が異常に盛んになり、喫煙者は排斥され迫害されるようになってしまいました。

喫煙を人に見つかると、大変なことになります。

直ちに喫煙者収容施設に送り込まれますが、これが

そこから生きて出た者はいないという、恐ろしい収容所

なのです。

なので、喫煙者は『スモークイージー』などと言われるアングラ喫煙場で、隠れて煙草を吸うしかありません。

なお、スモークイージーは禁酒法時代のアメリカにあった、アングラ酒場の『スピークイージー』をもじった言葉です。

そして喫煙者に対する締め付けはさらに厳しくなり、喫煙者達は野山に隠れ住むようになります。

しかし、そこにも取り締まりの魔手は伸び、ついに生き残りは主人公のみとなった時、

「その人は、現在地球上最後の喫煙家です!国際条約により保護対象となりました!」

とのアナウンスがあります。

そして時は移って博物館。

そこには『最後の喫煙者』という展示パネルがあり、

主人公の剥製が展示されています…

というお話。

むろん筒井康隆さんは大の愛煙家です。

世のヒステリックな嫌煙運動へのアンチテーゼとして、筒井康隆さんが、この作品を描いたのだろうことは、容易に想像できますね。

2.ベトナム観光公社

通称

『べっかんこう』

と呼ばれています。

これも筒井康隆さん一流の皮肉と毒のある初期の短篇です。

この作品が書かれた時代(50年前!)は、いまだベトナム戦争が行われていました。

舞台は、その時代からみて遙かな未来。

しかし、ベトナム戦争は未だ続いているのです。

そしてベトナム観光公社主催により、『観戦』ツアーが行われ・・・という内容です。

戦争をこれでもかという程、カリカチュアライズした作品として、当時は大きな反響(大半は批判!)がわき起こりました。

3.農協月へ行く

これもべっかんこうとほぼ同時期の作品。

農協さんが、あちこちでいろんな姿をさらしていた時代です。

現代でも某国の買い物ツアーを見ますと、『爆買い』などという言葉を思い出しますね。

よく言えばバイタリティに溢れ、悪く言えば品がちょっと、というアレです。

当時はそれを日本の農協さんがやっていたわけです。

で、話は未来へと飛びます。

未来の農協さんもバイタリティには溢れかえっていて、

「地球さみんな行っちまって、行くとこないべ。月にでもいくべか。」

ということで、バス、いや宇宙船を連ねて月に乗り込みます。

ところが、月には他の星の人(エイリアンですな)も来ていたのです。

未知との遭遇、あわや一触即発!?

しかしさすが農協さん、

「おめたち、こっち来て一緒に飲むべ!」

と、エイリアンと共に飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。

かくして星間戦争は回避されたのです。

めでたしめでたし。

後にわかったのですが、

相手のエイリアンもその星の『農協さん』だった

のですとさ。

このあたりのバカバカしさアホらしさが、筒井康隆作品の魅力の一つですね。

4.日本以外全部沈没

この『日本以外全部沈没』は、当時のベストセラーだった小松左京さんの大ヒット作『日本沈没』のパロディです。

『日本沈没』は映画化されたりした名作ですが、それを逆手にとって、

「日本列島以外の、人類が住む陸地すべてが沈没してしまった」

という世界を描いています。

のこされた唯一の陸地である日本へとやってきた、世界の著名人の情けない言動と、それに対する日本人の浅ましさを対比しています。

むろん、筒井康隆さんのブラックユーモアのセンスに満ちあふれた、内容となっています。

この作品は

第5回(1974年度)星雲賞短篇賞受賞作品

ただし、長編賞は『日本沈没』

なのです。

その授賞式での小松左京さんの言葉が秀逸です。

「おれは日本沈没の完成までに9年かかったのに、あいつは数時間で書き上げて賞を持っていってしまった。」

しかし、その小松左京さんも半村良さんも、そして星新一さんも今日泊亜蘭さんも、みんな向こう岸に行ってしまいました。

感無量です…。

5.最高級有機質肥料

この作品の内容は、ここでは詳しくは書きません。

いや、書けません。

詳しく書くと、コワイ筋から、

「★★は☆☆だから、■■は●●!」

と叱られます。

でも何も書かないと何もわからないので、ちょこっとだけ書きましょう。

主人公は、とある惑星へ赴任することになりました。

この惑星は快適な環境を持ち、住民も知的かつ温厚で友好的なのです。

しかし、地球から来たものは誰もここに居着かないというのです。

しかも、この星から帰って来た者は、栄養失調だったり精神に異常をきたしたりしているのです。

この疑問は、数日後に判明しました。

それは・・

書けません!

書くと筆者の△△が××しますので。

どうしても知りたければ、ぜひ読んでください。

6.大いなる助走

これは比較的シリアスな内容の作品となっています。

要するに文壇批判、文学賞風刺のような作品なのです。

直廾賞という架空の文学賞をめぐって、実在の選考委員を思わせるような人物が登場します。

この直廾賞という文学賞は、字面からみても明らかに直木賞のパロディでしょうね。

そしてその直廾賞を落選した主人公は、それらの選考委員の命を奪っていく、という小説です。

筒井康隆さんは直木賞の候補に挙がったことがあります。

しかし、落選して受賞はならなかったのです。

「でもSFだからね」

「そう、SFだからな」

というところでしょう。

当時は(今でも?)一般文学界に属する人たちのSFに対する偏見は強かったのですね。

しかし、筒井康隆さん自身は、

『この作品は、直木賞を受賞できなかったことへの恨みつらみではない』

と語っています。

「もし直木賞を貰っていたら作家としての成長がとまっていただろうということは、ほぼ明確なので、むしろ貰わなかったことを感謝している」

「面白いものを書こうという意識のみあり、恨みつらみを晴らそうなどとは考えていなかった」

「落選した際の気持ちがなかなか思い出せなかった」

これは後に筒井康隆さんが語った言葉です。

この言葉を字義通りに信じるか信じないかは、人によるでしょう。

7.メタモルフォセス群島

この作品はおそらくは、

ビキニ諸島などを念頭に置いて書いた

ものでしょう。

水爆実験などによる放射線による影響で、生態系がとんでもない変化をしてしまった島の物語です。

この島を調査に訪れた生物学者たちは、恐怖の体験をします。

タイトル通りにメタモルフォーゼした生物は、

  • 足が生えてくる果物
  • 木の枝に寄生している動物
  • 人間を食べてしまい、その首に似た果実をつける植物

などなどの、想像を絶する動植物たちと、その恐怖を描く、不気味な作品です。

8.アルファルファ作戦

遠い未来、人類は他の星々に移住していました。

しかし、一部の老人達は地球を去ることを拒み、そのまま地球に留まっていたのです。

主人公は、養老院の職員として地球にやってきました。

ある時、町で火の手が上がり、巨大化したハチに乗ったクモ型生物が襲ってきます。

老人たちは知恵をしぼって、アルファルファを巨大化させ、クモ型生物に立ち向かのです。

筒井康隆作品としては珍しく、毒や風刺を通じてではなく、ストレートにメッセージを発しているので、暖かみを感じる作品となっています。

そのため、このアルファルファ作戦を好む人が多いのでしょう。

9.公共伏魔殿

ズバリ、

公共放送伏魔殿

です。

つまり、鬼をもひしぐ泣く子もさらに泣く、あの恐怖の独裁団体NHKを、徹底的に誇張風刺して茶化しているのです。

初期の作品ですので、場合によっては入手難かも知れませんが、手に入れたらぜひ読んでみてください。

10.蟹甲癬

最高級有機質肥料とは別な意味で、これまたおぞましい物語です。

タイトルはもちろん『蟹工船』のパロディです。

とある星にはクレール蟹という、飛びきり美味な蟹がいます。

この蟹の甲羅の味噌は、一口食べるとほっぺたが落ちるくらい美味なのです。

ただ、この蟹の甲羅の味噌を食べると、頬が甲羅に変形してしまうのです。

でも症状はそれだけで、とくに命にかかわるようなこともありません。

しかし、ある時、恐怖の事実が判明します。

『蟹みそは、その人の脳を食らっていること』に繋がることが判明するのです。

蟹に寄生している病原体が、少しずつ脳を壊して蟹みそにしてしまうので、感染者は徐々に痴呆状態になっていきます。

しかも治療法は全く存在しません。

こうして、この星の人々は全て痴呆状態になってしまいます…。

なんとも救いのない物語ですね。

11.七瀬ふたたび

七瀬シリーズの家族八景とエディプスの恋人の中間に位置する、シリーズ第二作にあたる作品です。

超絶的な美少女・火田七瀬は、超能力者であることを隠し、旅をしています。

夜行列車内で、読心能力を持つ幼い少年ノリオと出会い、さらに予知能力を持つ青年・恒夫にも出会います。

恒夫は列車が事故に遭うことを予言し、七瀬らは途中の駅で降りるのです。

そして、各地で超能力者たちと出会いますが、超能力者の絶滅を図る集団に襲われて…。

というのがおおまかなあらすじです。

筒井康隆作品としては、時をかける少女と同様に比較的アクや毒が少なく、気軽に読める点が、一般的人気が高い由縁でしょう。

12.時をかける少女

一般的な人気では、筒井康隆作品のナンバーワンです。

しかし、筆者の好みとはかなり異なるので、このランキングとなりました。

とはいえ、読んで損することはなく、人気があるのも当然という傑作です。

逆に言えば、筒井康隆作品にのめり込んでいる人には、物足りないという一面もありますね。

まとめ

今回は、奇才・筒井康隆さんの作品から、おすすめのランキングを紹介し、これが面白い、ここが面白いという小説などを見てきました。

筒井康隆作品の特徴として、毒や風刺が強い点が挙げられますが、今回はとくにその特徴が強い作品を主に紹介しました。

しかし、それだけではありません。

数は少ないのですが、ほんわかとほの暖かい作品もあります。

筒井康隆さんは、本当に多様な作家なのです。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-小説

Copyright© 星々の煌めき , 2017 All Rights Reserved.