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フィリップKディックのおすすめ傑作小説と人気映画作品を紹介!

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フィリップ・K・ディックという名前から、みなさんは何を連想するでしょうか?

多くの人は、映画『ブレードランナー』の原作者を連想することでしょう。

原作の題名は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』という、風変わりなタイトルです。

もちろん、この題名にはそれなりの意味があり、内容にとって重要なテーマとなっています。

確かに『ブレードランナー』は名作の誉れ高い映画ですが、フィリップ・K・ディックの小説には、それ以外にも素晴らしい名作が目白押しなのです。

映画『ブレードランナー』だけを見て、フィリップ・K・ディックのことがわかったと済ませてしまうのは、あまりももったいない。

そこで今回は、そのフィリップ・K・ディックのおすすめ傑作小説と人気映画作品を紹介していきます!

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フィリップKディックのおすすめ傑作小説はこれだ!

フィリップ・K・ディックの特徴を、ランダムに挙げてみますと、

  • タイトルが特異なものが多い
  • 舞台や世界観がディストピア的暗黒性が濃い
  • 不条理性が強い
  • 悲劇的結末が多い

と、こんな感じになります。

タイトルが特異なものが多い

タイトルの特異性という点では、確かにフィリップ・K・ディックはSF作家の中でも抜きんでていますね。

しかも、ただタイトルが特異なだけでなく、その作品の重要なテーマである場合が多いのです。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』はその代表的な例と言えるでしょう。

この題名そのものが、小説の内容と言っても過言ではありません。

その理由については、個々の小説の項で書きますが、文字通り『名は体を表す』なのです。

舞台や世界観がディストピア的暗黒性が濃い

舞台や世界観がディストピア的暗黒性が濃いことも、フィリップ・K・ディックの作品の大きな特徴です。

小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』では、主人公は余命わずか(しかも病気ではなく運命の必然によって)な女性と共に、あてもない逃亡の旅に出ます。

また、『高い城の男』では、その舞台はアメリカ合衆国です。

ただし、『旧』のです・・・

この世界では、第二次大戦で『枢軸国』が勝利しているのです。

その世界のアメリカは、ナチス・ドイツと大日本帝国によって占領され、分割統治されています。

アメリカ人にとって、これが悪夢でなくてなんなのでしょうか。

不条理性が強い

これもフィリップ・K・ディックの小説の大きな要素です。

『流れよわが涙、と警官は言った』では、

自分の存在が世界からなくなっている

という設定になっているのです。

自分はちゃんと自分を認識しているのに、なぜ?

もう一つ、映画『トータル・リコール』は『追憶売ります』が原作小説の題名ですが、映画化されたことで、短編集のタイトルもこうなってしまいました。

その『追憶売ります』では、火星に行くことを夢見る男が主人公です。

そして、記憶を売る会社であるリコール社を訪れ、火星に行ったという記憶を植え付けて貰うことにしたのです。

しかし、リコール社の担当技術者は困惑します。

なぜなら、主人公には既に

火星に行ったという記憶がある

のですから…。

SF作家チャールズ・プラットによりますと、

「彼(フィリップ・K・ディック)の作品は全て、単一の客観的現実は存在しない基本的前提から出発している」

ということになります。

単一の客観的現実が存在しなければ、その世界は当然不条理に満ちたものになりますよね。

また、個人のアイデンティティも、もろく不確かで崩れやすいものになるでしょう。

悲劇的な結末が多い

これは世界観がディストピア的であれば、当然の結果です。

楽天的な明るいエンディングもないわけではありませんが、記憶に残り続けるのは、悲劇的エンディングが多いのです。

 

それではフィリップ・K・ディックのおすすめ傑作小説をいくつか挙げてみましょう。

  1. アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(1968年)
  2. 高い城の男(1962年)
  3. 火星のタイム・スリップ(1964年)
  4. 流れよわが涙、と警官は言った(1974年)
  5. ユービック(1969年)
  6. 暗闇のスキャナー(1977年)
  7. 宇宙の眼(1957年)

フィリップKディックのおすすめ傑作小説7選

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

言うまでもなく、フィリップ・K・ディックの代表作であり、もっとも有名な小説でもあります。

最高傑作であるかどうかは、人により評価が異なりますが、よくできた作品であることは間違いありません。

その内容は、バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)の主人公は、反乱したアンドロイド(人造人間)を追うことになります。

その追跡劇の過程での『人間とは何か』、『人間とアンドロイドの違いは何か』というものがテーマとなっています。

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高い城の男

この『高い城の男』では、その舞台はアメリカ合衆国です。

ただし、このアメリカは

この世界では、第二次大戦で『枢軸国』が勝利している

アメリカなのです。

この世界でのアメリカは、ナチス・ドイツと大日本帝国によって占領され、分割統治されています。

そのアメリカでは、

「もしも連合国が第2次世界大戦で勝っていたら」

という"IF"の世界を描いた小説が売れていました。

その小説を書いた男がタイトルにある『高い城の男』なのです。

いわば『裏返しの第二次大戦の戦後』ですね。

アメリカ人の吸うタバコのパッケージが日本語だとか、ある日本人の描写が傲慢でありつつ、静かに侮辱を織り交ぜたり、細かい描写も見事です。

この小説は、1963年にSF小説の最高の栄誉といわれる、

ヒューゴー・ガーンズバック賞

を授賞しています。

なお、ヒューゴー・ガーンズバックとは、アメリカSFの始祖的存在の作家で、日本でいえば星新一さんとか今日泊亜蘭さんにあたる人です。

火星のタイム・スリップ

舞台は、未来となる1994年の火星です。

もちろん『未来』とは、この作品が書かれた1964年から見てです。

この火星にいる人々は、皆何かを失ったり挫折したりした人々で、未来には全く明るい思いは抱いていません。

主人公は一種の詐欺師で、過去にタイムスリップして、開発が始まる前の火星の土地を買い占め、大もうけをしようと企みます。

その手段として、統合失調症の少年の特異な能力を使うことを思いつきます。

そしてその企みは成功しました!

しかし・・・

その世界は統合失調症患者の目で見た世界だったのです!

世界のあらゆるものがこちらに敵意を抱き、自分を否定する世界

そんな世界だったのです。

この小説をフィリップ・K・ディックの最高傑作とする人が多いのが特徴でもありますね。

流れよわが涙、と警官は言った

数あるフィリップ・K・ディックの不条理もの小説の代表作です。

この小説、とにかく怖いです。

その怖さも、アクション映画の危機一発といった類の怖さではありません。

背筋になにか冷たいおぞましいものが、じわりじわりと忍び込んでくるという、そんな怖さなのです。

このタイトルもまた内容にぴったりですね。

主人公は売れっ子のタレントで、どこへ行っても大人気、富も名声もなにもかも持っているという、羨ましい存在なのです。

しかし、ある朝目覚めると、まるで記憶にないボロホテルにいるのです。

身分証明書もなくなっているし、彼のことを知っている者は誰一人としていません。

所属するタレント事務所に電話をかけても、

「は?どなた様でしょうか?」

と聞き返される始末。

主人公は自分の存在を取り戻すために行動し始めます。

そして、物語の最後は衝撃的です。

私を見張っているのは私だ…。

ユービック

フィリップ・K・ディック作品では、超能力者が登場することがあります。

この『ユービック』では、その超能力者が主役となっています。

その超能力者とは『不活性者』です。

この不活性者とは、『超能力者の能力を無効化できる者』のことなのです。

主人公は超能力者による産業スパイ対策を仕事としています。

ところがある奇妙な現象が起こり始めたのです。

それは『時間の後戻り』です。

所持していたお金が古くなる、飲もうとした飲み物が腐ってしまうなど、奇現象が続発します。

そのうち、現象は次第に重要な事柄にまで及んで行き、歴史まで変化し始めるのです。

なお、この『ユービック』とは、一種の商品で、ストーリー中にそのコマーシャルが挿入されたりします。

しかしそれを読むと、余計にユービックがなんであるのかが、わからなくなるという、けったいなコマーシャルなのです。

暗闇のスキャナー

映画『スキャナー・ダークリー』の原作です。

どこからともなく供給される薬品『物質D』、通称デスがアメリカ中を支配しています。

この薬品は供給源や原材料も全く不明なのです。

そしてその薬品による落伍者が巷に溢れていました。

捜査官である主人公は、自ら潜入調査を行いますが、そのために実際にその『物質D』を摂取したりもします。

彼は、ある日上司から指示を受けます。

それは

「これからはアークターを張ってくれ」

というものでした。

この『アークター』とは潜入時の主人公の名前だったのです…。

自分で自分を見張る、この行為の無意味さと恐ろしさ、このあたりが見物ですね。

宇宙の眼

ベバトロン(陽子ビーム加速器)を見学していた観客八人が、装置の事故に遭遇する所から始まります。

陽子ビーム加速器が暴走し、60億ボルトの陽子ビームが放射されたのです。

この八人は負傷はしたものの生命に別状なく、普段の生活に復帰しました。

しかし・・・

その復帰した『現実』は、事故前の現実とは文化や宗教の異なる現実だったのです。

この小説は、宗教がモチーフの1つとなっています。

パラレルワールドものではありますが、通常のパラレルワールドものと異なるのは、一旦そのパラレルワールドも抜けても、

また別のパラレルワールドの世界が待っている

ことです。

これは怖い!

筒井康隆さんは

「シュール・リアリズムがSFに活かせる」

と評していたそうです。

フィリップKディックの人気映画作品を紹介!

フィリップ・K・ディックの小説は、意外に多数映画化されています。

  • ブレードランナー(1982年)
  • トータル・リコール(1990年)
  • マイノリティ・リポート(2002年)
  • NEXT -ネクスト-(2007年)
  • バルジョーでいこう!(1992年)
  • アジャストメント(2011年)
  • ペイチェック 消された記憶(2003年)
  • クローン(2001年)
  • スクリーマーズ(1995年)

この他にも、テレビドラマ化などもあるようで、やはり人気作家と言えるでしょう。

フィリップKディックの人気映画作品を紹介!

ブレードランナー

監督リドリー・スコット、主演ハリソン・フォード。

これはもう語るべき余地はありません。

フィリップ・K・ディックの小説の代表作であり、彼の映画化作品の代表作でもあります。

人間とは何かという重いテーマを描いた作品です。

トータル・リコール

1990年版は、監督ポール・バーホーベン、主演アーノルド・シュワルツェネッガー。

1992年版は、監督レン・ワイズマン、主演コリン・ファレル。

原作は、短編『追憶売ります』です。

1990年版と1992年版の2種類があり、1992年版の方が、より原作小説に近い内容となっています。

1990年版では、シュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーが主演していますが、マッチョすぎてミスマッチという声もあるようです。

主人公は火星に行くことを夢見ています。

そして、記憶を売る会社リコール社を訪れ、火星に行ったという記憶を植え付けて貰うこととなりました。

しかし、主人公には既に火星に行ったという記憶があったのです…。

自分の存在が揺らいで行く、いかにもフィリップ・K・ディックらしい内容ですね。

マイノリティ・リポート

監督はスティーヴン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズという大物揃いの映画化です。

原作小説とは、プロットがかなり異なり、アクションシーンが追加されています。

犯罪予知が可能になった未来。

犯罪予防局長官アンダートンは、近い将来に犯罪を犯すと予知されてしまいます。

彼はその真相を突き止めようと、警察に追われながら調査を開始します。

マインドコントロールをテーマにした内容となっています。

クローン

ゲイリー・シニーズ製作・主演。

この世界では、エイリアンと地球との戦いが始まっています。

科学者スペンサーは、エイリアンが送り込んだ爆弾を持ったクローンという容疑をかけられてしまいます。

彼は自分が人間であるという証拠を示すために行動しますが…。

スキャナー・ダークリー

監督リチャード・リンクレイター、主演キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダー。

暗闇のスキャナーの映画化です。

時は近未来、右脳と左脳を分裂させる薬品『物質D』の供給源を絶つために潜入した捜査官が主人公となっています。

彼はある日上司から

「これからはアークターを張ってくれ」

と命令されますが、この『アークター』とは潜入時の主人公の名前だったのです…。

フィリップ・K・ディック自身も危険薬品の常習者だったそうですが、その体験が現れた内容ですね。

まとめ

今回は、フィリップ・K・ディックという特異な作家のおすすめ傑作小説をまとめてみました。

自我の不確かさや存在の意味など、そのテーマは重いものが多く、それも人気の秘密の一つなのでしょう。

フィリップ・K・ディックは人気作家でもあり、またその内容が映画化に合っているためか、映画化作品も意外に多いのです。

しかも、監督や主演は、スティーブン・スピルバーグやシュワちゃん、キアヌ・リーブス、トム・クルーズなどの大物揃い。

この記事が、フィリップ・K・ディックの小説の面白さや、映画の面白さの紹介に、少しでも役立てば望外の喜びです。

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