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アンドロイドは電気羊の夢を見るか(小説)の意味とネタバレを解説

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映画『ブレードランナー』の原作として名高い、フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』。

フィリップ・K・ディックの小説のタイトルには、変わったものが多いのですが、その中でも、このタイトルはずいぶん風変わりですね。

アンドロイドが夢を見る?

しかも『電気羊』の夢とは?

電気羊とはいったい何のことなのか?

確かに変わった題名ではありますが、この『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』という題名には、ちゃんとした意味があるのです。

今回は、フィリップ・K・ディックの名作、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』のタイトルの意味とネタバレを解説していきます!

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『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の意味とは?

それでは『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』というタイトルの意味とは、どんなものなのでしょうか。

実際にフィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』を読んだことのある人ならば、すぐおわかりのことと思います。

このタイトルは、

小説全体のテーマを現している

のです。

これで解説は終わりです…。

これでは、

「それじゃまるでわからない」

と言われてしまいますね。

次項のネタバレでも書くつもりですが、まずこの小説の舞台から見てみましょう。

この小説の舞台は、2019年のアメリカです。

現在は2017年ですから、2019年はわずか2年先のことです。

わずか2年では、2019年になっても社会状況や科学技術は、現在とあまり変わっていないでしょう。

しかし、この『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』が書かれたのは、

1968年

のことです。

この1968年は、アポロの月面着陸の前年でもあり、現在から見ると半世紀近く前のことなのです。

つまり出版当時から見て2019年は、

遙か未来の半世紀後

なのです。

2017年から半世紀後は、2067年です。

2067年に社会状況や科学技術が、どれほど変化しているかを考えてみれば、1968年から見た2019年の変化が、想像できるでしょう。

フィリップ・K・ディックが想像した2019年のアメリカは、荒廃し、さびれた世界なのです。

放射線強度が高く、環境が悪化し、人々は地球を見捨てて他の惑星に移住しています。

残されているのは、弱く無力な人たちだけです。

そして、過酷なあるいは危険な仕事は『アンドロイド』と呼ばれる人造人間に任されています。

この『アンドロイド』は、通常の定義では

外見は人間そっくりだが、中味は機械

というものです。

しかし、この小説では、フィリップ・K・ディックは

生体工学的(遺伝子操作など)につくられた人間そっくりの人造人間

と言う意味で、『アンドロイド』という用語を使っています。

その身体は、人間の組織から作られ、外見は通常の人間とは見分けがつきません。

そして思考能力や感情も、『ほぼ』人間と同様のものを持っているのです。

これは映画『ブレードランナー』では、『レプリカント』という言葉に置き換えられています。

この言い換えは、アンドロイドという言葉では、

人間そっくりの機械

と受け取られかねない、ということからでしょうね。

この時代のアンドロイドは、危険で過酷な作業に従事していますが、それに対する反発も感じるようになっています。

そして、アンドロイドによる人類に対する反乱も企てるようになりました。

また、人間でさえ生きるだけで精一杯なので、ペットとしての動物は超貴重品、超高価で一般の庶民には手が届かない存在なのです。

そのため、ペットを求める庶民は、『代用品』で我慢せざるを得ません。

これが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の世界観なのです。

 

さて、この小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の主人公はリック・デッカードという賞金稼ぎで、一応、公務員でもあります。

彼はペットして『電気羊』を飼っていますが、いつか本物の生きた動物を飼うことが、彼の生涯の夢なのです。

彼の仕事とは、危険なアンドロイドを狩ること…。

狩るということは、すなわち抹消することです。

そしてある日、上司から地球に潜入したアンドロイドを抹消しろという命令を受けます。

デッカードは捜査を続ける内に、いつしかアンドロイドと人間の違いに、疑問を持ち始めます。

いったい、人間とアンドロイドの違いとはなんなのか?

アンドロイドは思考能力もあり、一見感情もあるように見えます。

ではその違いとは?

デッカードの信ずる人間らしさとは、

他の動物に感情移入できること

であり、アンドロイド(映画ではレプリカント)は、他の動物に感情移入することはありません。

つまり、

『人間の定義とはなにか?』

ということですね。

それがこの作品の題名である、

アンドロイドは電気羊の夢を見るか

なのです。

デッカードが夢見るように、アンドロイドも他の動物の夢を見るのだろうか。

もしそうであれば、アンドロイドと人間の違いはないことになる…。

 

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』のネタバレを解説

人間性、人間らしさとは、いったいどのようなことなのでしょうか。

人間的とは、ただ生きていることだけではなく、ただ考えることだけでもありません。

なにか他のものに対する思い入れも、その人間性・人間らしさのひとつの現れでしょう。

例えば動物を心から愛したりすることも、それにあたります。

筆者は犬が大好きで、犬のためなら、したくないことでもやっていました。

寒い冬の朝早くに起きて、散歩(といっても全力疾走ですが)に行くとかですね。

今でも犬を飼うことを夢見たりします。

デッカードも同じなのでしょう。

相手は犬ではなく羊ですが…。

ところで、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』のネタバレを解説という見出しですが、これは正しくは、

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の解釈

と書くべきなのでしょう。

アンドロイドは電気羊の夢を見るかに限らず、フィリップ・K・ディックの小説は色々な読み方ができ、人により解釈も大きく異なります。

ですので、以下に綴るのは、あくまでも筆者個人の解釈となります。

まず、主人公・デッカードの信じる人間とアンドロイドの相違は、タイトルである

アンドロイドは電気羊の夢を見るか

です。

しかし、デッカードは捜査を進める内に、これに疑問を抱くようになってきます。

その原因の一つは、彼が人間ではなくアンドロイドと見抜いた18歳の女性、レイチェルに愛情を抱くようになったことからです。

そして、彼は自分が人間なのかアンドロイドなのか、という疑問さえ抱くようになっていきます。

しかし、このデッカードの愛情は、アンドロイドの手によって破壊されてしまいます。

実はアンドロイドは、人間に感情移入させて利用することで、生き残りを謀っていたのです。

これではタイトルの意味が消えてしまいますね。

それに気づいたデッカードは絶望し、遠い砂漠に入り込むのです。

しかし、そこで『生きた』カエルを発見、これを自宅に連れ帰ります。

だが…。

そのカエルさえもニセモノだったことを知ります。

絶望し、疲れ果てたデッカードは、いつの間にか寝入ってしまう…。

という、恐ろしいまでの虚無感が小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』でのエンディングなのです。

人間とは何か、という問には、"一応"のタイトルである

アンドロイドは電気羊の夢を見るか

で答えておいて、最後には著者自身がそれをひっくり返してしまう。

人間とは何か?自分とはなにか?

この問に対するフィリップ・K・ディックの答は、

虚無と絶望

です。

この恐ろしさは、映画『ブレードランナー』には全くありません。

フィリップ・K・ディックの小説では、この種のあいまいというか、解釈が多様にできるという内容が多いのです。

その中でも、この『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』は、その最たる例と言えるでしょう。

 

まとめ

フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』は、映画『ブレードランナー』の原作として有名ですね。

この『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』という題名は、その意味は読めば理解できます。

ではフィリップ・K・ディックは、本当はなにを言いたかったのかは、一読や二読しても、なかなか理解することができません。

とくに、エンディングについては人によってじつに多様な解釈があり、まったく同じ解釈は探すのが難しいほどなのです。

そして、その解釈によって導き出される虚無と絶望が、フィリップ・K・ディック小説の最大の特徴でもあり、魅力でもあります。

その魅力に浸るためには、ぜひフィリップ・K・ディックの小説を読んでみてくださいね。

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