ボールルームへようこそのアニメと原作漫画の違いをチェック!

アニメ 漫画

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アニメも2クールが終わろうとしている『ボールルームへようこそ』

原作者は竹内友先生。

『月刊少年マガジン』に連載中の、人気ダンス漫画です。

現在単行本は9巻まで出ていますが、何とアニメでは2クールですでにその9巻分を消化してしまいました。

単行本1巻分はおおむねアニメ1か月分に相当することを考えると、6か月以内で9巻分が放映されているのは、異例のペースとなります。

実はここに、

「『ボールルームへようこそ』は原作もいいけどアニメもいい!」

と言われる秘密があるのです。

この記事ではその違い理由にせまっていきたいと思います!

 

“少年漫画”部分がカットされより“ダンス漫画”

『ボールルームへようこそ』のアニメでは、原作漫画にあったシーンが大幅にカットされています。

そのため展開がかなりスピーディで視聴者を飽きさせないようになっていますが、ではどう言ったところがカットされたのでしょうか。

まずは第1話。

主人公の多々良が不良に絡まれる2度目のシーンが丸ごとカットされています

これは原作漫画では、主人公が初めてダンスという大事なものを守るシーンであり、ダンスのことを知らない読者でも主人公の決意に共感できるように設定されたシーンです。

少年漫画誌ということを考えれば読者を引き込むために必要でしょうが、原作をすでに読んでいる人にとっては、こういったダンスと直接関係のないシーンは邪魔に思われかねません。

つまりアニメでは“少年漫画”的な部分をカットし、主人公が一直線にダンスに向き合う“本格ダンスアニメ”としてまとめたわけですね。

同じような理由でカットされたシーンは結構あります。

例えば、

  • 原作第18話におけるいじめっ子・室井君との再会
  • 賀寿の再登場シーン(しかし代わりに屋上でのバレーボールシーン)
  • 賀寿と真子の電話シーン

など。

また少年漫画要素ではありませんが、原作第21話の兵頭・花岡組と赤城兄妹組の試合シーンがカットされたのも、「多々良がダンスの道を進んでいく」という軸をブレさせないためでしょう。

2クールで多々良の“ダンス”に対するひとつの答えを出すために、よけいな部分はカットして再編集されているのです。

では次からは、パート別に原作との違いをチェックしていきましょう。

 

天平杯編

天平杯編は多々良の“人に合わせるのが上手い”という特性を見せるためのもの。

かつ今後良きライバルとなる新キャラ、赤城賀寿・真子兄妹のキャラクター紹介も兼ねています。

アニメスタッフ的には賀寿がお気に入りなのか、賀寿の荒々しい気性を強調するような演出がたくさん追加されました

具体的には、

  • 多々良に替え玉のことを言うときに顔を両手で挟むなどのボディタッチ(アニメ第5話)
  • 雫とのペアを組む宣言をしたときに仙谷さんに耳をつままれる(アニメ第6話)
  • 多々良に天平杯での戦いを挑まれ、額がくっつくほどの至近距離ですごむ(アニメ第6話)
  • 賀寿の雫との出会いの回想が東映映画風(アニメ第6話)
  • 決勝前に多々良にどうすれば勝てるか尋ねられたときの真子の回想

こういった動きによって、賀寿の性格がよりよく伝わるようになっていました。

他にもいくつかの台詞が少しずつ変更されていましたが、大きな違いは主にこのあたりでしょう。

多々良の特性や賀寿・真子の性格を視聴者に印象づけるとともに、『ボールルームへようこそ』のテーマのひとつである“カップルのあり方”にも焦点が当たっていますね

アニメスタッフの原作への思い入れの強さがわかります!

 

多々良・千夏ペアの結成から静岡グランプリまで

アニメの第2クールは原作でも力を入れて描かれているところで、ここからが『ボールルームへようこそ』の本番と言えます。

おそらく作者は多々良のパートナーである千夏への思い入れが強く、彼女がうまく“パートナー”に徹することができない背景や、心情のゆれをていねいに描きたいのでしょう。

何と原作で多々良と千夏が避け合ったりぶつかり合ったりする過程に費やされるのは、単行本約4巻分。

漫画の勢いがあるため、原作ファンは一気に読めてしまいますが、答えの見えない悩みをアニメでも同じ長さでなぞられると、さすがに見る方もダレてしまいます……。

そのためアニメではこの部分でも、多々良・千夏ペアの”答え”に直接関係ない部分はカットされ、わかりやすいようにエピソードが再編集されました。

  • 仙谷・本郷組の試合の後の、仙谷さんと多々良の会話がカット(電車のシーン自体はアニメ第15話に)
  • 仙谷さんが試合で多々良に見せたかったことの説明がカット

また逆に追加されたシーンも。

  • アニメ第13話の仙谷・本郷組が多々良に千夏と組むことをすすめるシーン(第22話の同じようなシーンとの差し替えとも考えられます)

これらの変更によって、

出会い → 千夏がダンスに復帰 → リードとフォローが合わず相性最悪 → お互いの歩み寄り

という流れがとてもわかりやすくなりました。

 

合宿編

アニメ第16話から始まる合宿編では、最初から車の中や合宿所についてすぐの雑談など、展開に必要のない台詞がたくさんカットされています。

合宿編で大事なのは、初めてしっかり向き合った多々良・千夏組がとことんまでお互いの違いを思い知り、お互いの問題点をあぶり出すこと。

彼らの最大の問題点とは、相手を導くべきリーダーと従うべきパートナーの適性が完全に逆だということです。

『ボールルームへようこそ』の現時点での最大のテーマである“カップルのあり方”について掘り下げられる大事なところなので、ほぼ原作に忠実に、ていねいに描かれました

 

東京都民大会編

アニメ第18話から始まった東京都民大会編は、カットされたのは釘宮さんのいとこくらいでした。

むしろ細かな描写を追加してダンスの流れをわかりやすくしているところが目立ちます。

ダンスのレベルが上がった多々良たちの技術を視聴者にわかりやすく表現するためでしょう。

こういった追加により、ダンスについてだけでなく、多々良と千夏のずれたところや噛み合ったところもよくわかるようになっています

こういったところは、アニメだからこそできたダンスの魅せ方といえるでしょう。

またこの大会ではキャラクターたちのダンスに懸ける想いやその背景についても原作でページをとられていましたが、それらも全くカットされずアニメ化されていました。

そしてこれは原作との違いではありませんが、ダンスシーンでキャラクターたちがちゃんと踊っています!

ダンスアニメなのに止め絵が多いとの批判があったのですが、なるほど、ここで本気を出すための温存だったのか!

と、納得させられました。

 

原作に追いついたアニメ!?

現在アニメは第23話。

遺すところ最終回のみなのですが、実はすでにアニメが原作を追い抜いてしまっています

公式からのお知らせと作者コメントはこちら。

原作者の竹内友先生の体調などの理由から、原作漫画は休載や現ページが多かったため、アニメ化当初からファンはこのことを心配していました。

というわけでこれからは原作とアニメが並行して進むこととなりますが、これはこれでどちらも目が離せなくなりますね!

 

『ボールルームへようこそ』についてのまとめ

単行本9巻分の原作を2クールのアニメにするに当たって、アニメスタッフはより分かりやすくするために原作のカット・変更を行っています。

それによって原作の魅力は損なわれず、むしろアニメと原作それぞれの良さが出ることとなりました。

さらに原作の遅延によりアニメが原作を追い越すこととなりましたが、原作で決着のついていない東京都民大会をアニメではどうまとめるのかが楽しみです!

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