封神演義の漫画やアニメと原作小説(中国の古典)の違いをチェック

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週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画『封神演義』が再度アニメ化され、放送されることになりました!

原作漫画『封神演義』は元々中国の古典怪奇小説『封神演義』を原典にして安能務訳の講談社文庫版『封神演義』を元にしている漫画です。

原作が古典小説という事もあり、漫画向けに色々と変更されている点があります。

古典小説の方の『封神演義』は小説としての評価はあまり高くないのですが、世界観の大きさなどから民衆には広く受け入れられていました。

本場中国では今でも映像化されるほどで、未だに娯楽作品としての人気の高い小説です。

今回はそんな古典怪奇小説『封神演義』と日本で漫画やアニメとなっている『封神演義』についてまとめていきます!

 

封神演義の原作小説(中国の古典)について

中国では現在も愛され続けていて、何度も映像化されている『封神演義』ですが、どのような内容なのでしょうか?

まずは原作小説『封神演義』のあらすじをまとめていきます!

 

封神演義の原作小説(中国の古典)あらすじ

昔々、世界は仙界と人界に分かれていました。

仙界はさらに、人間出身の仙人と道士が住む崑崙山の仙道『闡教(せんきょう)』と、動物や植物の『截教(せっきょう)』に分かれています。

人界では、紂王(ちゅうおう)が収める殷の時代です。

紂王は名君とされていたのですが、

「女媧は人間界のどの人間より美しい、この女媧が私のものであったらいいのに」

という意味の詩を詠んでしまいます。

この神と人を混同したような無礼な内容の詩に女媧を怒らせてしまいました。

怒った女媧は千年を生きた狐狸の精に紂王を陥れるように命じます。

そして、狐狸の精は妲己の魂魄を滅ぼして身体を手に入れ、紂王を籠絡し始めていくのです。

その結果、紂王は妲己に操られるがまま圧政を繰り返し民を苦しめてしまいました。

一方仙界では、崑崙山の闡教教主、元始天尊門下の崑崙十二大仙が千五百年一度の逃れられない劫で人を殺すという罰を負っています。

また、天帝はその十二人を臣下に命じたことで、殷周革命にかかわる闡教徒、截教徒、人道の中から365人の神を封じる封神の儀式を行う事に。

この封神の執行者として選ばれたのが崑崙の道士の太公望でした。

殷周革命を舞台にして、四不像に乗った太公望が巻き起こす殷周の間の戦乱から闡教と截教の対立が起こります。

その戦乱の中で数多くの仙人や道士の魂魄が封神されていきました。

 

封神演義の原作小説(中国の古典)について

作者は諸説あって、実際は誰が書いているのかは不明とのこと。

中国生まれの小説ではありますが、中国では小説としての評価はあまりよくはないそうです。

『西遊記』『三国志演義』『水滸伝』『金瓶梅』に比べると文学的な価値は劣るという評価となっています。

登場人物にはモチーフとなる説話があって、神や仙人もその当時信仰されていたものに同じ名前があってそこから借りているとのこと。

どうやら名前だけ借りているパターンと、説話を改変して使用しているパターンがあったらしいです。

そのため、古くから信仰されているものと新しいものがごちゃ混ぜになっていたり、当時の時代にはいない人物などが登場していたりもします。

堅苦しい文語体を必要以上に使っていたりストーリーがちぐはぐなところがあったり、時代がごちゃ混ぜになっているところが評価の低い原因の様子。

それでも、中国の民間信仰に大きく影響を与えているとのことです。

従来の神々が『封神演義』の名前や恰好で描かれるようになったり、存在しなかった神々が新たに生まれたりもしました。

文学としての評価はそれほど高くなくても人気はとても高かったという事ですね。

 

封神演義の原作小説(中国の古典)の翻訳版について

元々は中国の古典小説を日本語に翻訳したものが三種類あるそうです。

その中でも一番有名なのが安能務さんが翻訳したものとのこと。

漫画『封神演義』も安能務さんが翻訳したものをベースにしているそうです。

しかし、安能務さんが翻訳をする際に加筆修正を行っているようで、元々中国語の方を知っている人は批判的な意見が多いとのこと。

 

 

封神演義の漫画やアニメの原作小説(中国の古典)との違い

中国の古典小説を安能務さんが翻訳してアレンジしたものを藤崎竜さんがさらにアレンジして漫画にしたのが漫画『封神演義』です。

漫画になるまで二回もアレンジが入っていますから、原作小説からはかなり変わっているところがあることでしょう。

その変わっている部分を紹介していきたいと思います。

まず、漫画版ではほとんどが太公望の視点で描かれていて、太公望の本名も小説版とは異なります。

原作小説では『姜子牙』漫画版では『呂望』というのが本名です。

他にも設定が変わっている登場人物がいて、物語を漫画にアレンジするために変更された様子。

妲己や聞仲など原作小説ではそんなに強い設定ではなかったのですが、漫画版ではかなり強い設定になっています。

また、霊獣が言葉を理解するなども原作小説にはないものとなっています。

太公望の年齢も原作では老人でしたが漫画版では若者の見た目となっていて、他にも若い姿で登場する人物が多くいますね。

これは、仙人は不老不死であるという伝承から、歳をとっている仙人が若い姿のままでいるという事なのかもしれません。

原作小説では封神されてしまった者が漫画版では生きていたり、その反対もあるようです。

また、原作では登場した仙人などが漫画では登場しないということもありました。

作者の藤崎竜さんとしては、

「(本作の都合により)登場させなかったキャラクターも描きたかった」

とコメントしています。

世界観については、原作小説では道教や仏教などがベースとなっているのに対し、超古代文明があったということになっていました。

宝貝についても、原作小説では仙人たちが何千年もかけて工夫し力を注ぎこんだ秘密兵器という扱いです。

漫画版では女媧を倒すために始祖が作ったものとなっています。

物語の舞台も女媧が望む世界を作るために、何度も繰り返した世界です。

原作小説では古代中国が舞台になっているので設定上は同じように過去の世界ですが、何度も繰り返しているため実際はかなり未来の物語です。

原作小説ではなかったコメディ要素なども追加されているのも漫画ならではですね。

他にも登場人物の名前が原作小説とは異なっているのですが、どうやら翻訳版を参考にしている様子。

中国版の正しい名前は

  • 哪吒『なたく』ではなく『なた』
  • 楊戩『ようぜん』ではなく『ようせん』
  • 聞仲『もんちゅう』ではなく『ぶんちゅう』

聞仲に関しては、翻訳版ではなく中国版小説の読み方を採用しているようです。

変わった点を見てみると漫画にするためにかなり大胆なアレンジをしていますね!

 

封神演義の原作小説(中国の古典)まとめ

中国の古典小説が日本でアニメ化するなんてなんというか不思議な気分ですね。

例えるならかぐや姫が外国でアニメになるみたいな感じでしょうか?

元々の原作小説がすでに国同士の争いなどに幻想的な要素が混ざっているものですが、漫画版でSFっぽさやコメディ要素も追加されています。

原作小説は漫画版とはかなり違うということがわかりましたが、そのおかげで原作小説の方にも興味が出てきますね。

今は、比較的読みやすいように翻訳されたものがあるようなので、機会があったら読んでみるのもいいかもしれません。

もしかすると『封神演義』がもっと好きになっちゃうかもしれませんね!

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