
マクドナルドのフランチャイズ撤退の理由
マクドナルドが街から一斉に消えてしまう…
そんな恐ろしい噂が、2015年6月にネットに流れ、一つの騒動となりました。
その理由として、当時囁かれていたのは、
マクドナルド自身が招いた異物混入騒動によって、売り上げが落ちたにも関わらず、店舗の改装を止めることなく、改装費用確保のために末端であるフランチャイズのオーナーたちを切りにいく
という経営陣の考えがあったため…
そして、そういった背景が、マクドナルド内部で起こっていたために、フランチャイズのオーナーたちが、愛想をつかし一斉撤退しようと、さらに噂されたのです。
幸い一斉撤退が実行され、街からマクドナルドが消えることはありませんでした。
しかし、相変わらずマクドナルドの危機的状況は継続されているようです。
また、マクドナルドのロイヤリティの高さや、契約年数の長さに関しても、フランチャイズのオーナー達は不満を爆発させているとか…
他のバーガーチェーンは、フランチャイズ契約年数は、5年となっているそうですが、マクドナルドは
10年毎の更新
ロイヤリティに関しても、平均1店舗辺り
1億円
が必要と言われています。
この1億円のうち、2,500万円は自己資金として用意しなければいけないらしく、残りの7,500万円もマクドナルド経由で融資してもらうので、結局お金を返さなくてはいけないということらしいのです。
マクドナルドのフランチャイズオーナーたちは、ここに人件費や材料費などのコストを差し引いて、マクドナルドに対してのローンを支払っていくわけです。
仮に売上が上がり、儲かったとしても、それは雀の涙のようなものだと言われ、悲鳴を上げているフランチャイズ店が続出しているとか。
そんな温情の欠片すら見えない契約なら、不満を爆発させ、もうマクドナルドとの契約を打ち切って撤退したい、と考えるオーナーが続出してもおかしくありません。
結局は、経営陣が『マクドナルド』というブランド力にかこつけて、権力を振りかざしているようなことが度々起こっているわけです。
マクドナルドの異物混入騒動は、自業自得の話でしかありません。
経費を下げるために、ユニフォームのクリーニングまでをバイト任せにしていました。
そこで適当に洗濯されたものを、身にまとい作業し、挙句の果てには、そのユニフォームのほつれた糸が、バーガーに入って異物混入騒動が起こりました。
これでは、ますます消費者離れは避けられないでしょう。
これは、あくまで一部のフランチャイズオーナーの話にすぎませんが、あるバーガーチェーンは開業資金として必要な金額が3,000万円(店舗費用全て)と言われています。
そこと比較して考えると、約1億円という額は、あまりにも桁違いな額です。
ここまでロイヤリティを取らなければならないマクドナルドの姿勢は、確実に末端であるフランチャイズオーナーや、バイト・従業員を苦しめていると言わざるを得ません。
本来なら、即座にロイヤリティ等、契約態勢の見直しを図らなければならないのに、閉店を促すようなことをしているだけで、その姿勢は相変わらず…
幸いフランチャイズの一斉撤退はないものの、予定通りに閉店ラッシュが続いていくようです。
ここまで来ると、やはりマクドナルドの終焉は、時間の問題かもしれず、バーガーチェーン店の時代が一つの終わりを告げているように見えます。
追記
後日、ある経済学者がマクドナルドに関して、改めてフランチャイズ店が続々と閉店をたどる羽目に陥った理由を検証していたことが分りました。
その話を要約すると、マクドナルドの怠慢な経営もさることながら、アメリカと異なり日本ではヘリシー志向の人が多いために、カロリーの高いバーガーに手を出さず、売上が上がりにくいそうです。
それで見境なくチェーン展開した割には、売上に結びついていないのだと言うのです。
まぁ店舗を近場で増やそうものなら、その分、売上の奪い合いをしてしまうことになります。
昨今の生活習慣病を気にする多くの人が、パンは大敵と考え、味の濃いバーガーは敬遠しています。
まさにマクドナルドのバーガーは、味が濃いものが多く、そこが魅力でもあるのですが、あっさりしたものを好む人は手を出しづらい商品です。
そこでモスバーガーなど他のバーガーチェーン店の商品を購入するか、バーガー自体を食べないなんて人も少なくないはず…
そういった諸々の事情が、マクドナルドを窮地に立たせてしまい、そのしわ寄せを、フランチャイズ店のオーナーたちが受けてしまっているわけです。
『蜥蜴の尻尾切り』といえば聞こえが悪いのですが、実際に痛手を負っているのはオーナーたちです。
その犠牲により、マクドナルドは倒産せずに済んでいるわけですから、このような表現をされても、それは仕方のない話です。
今後、同様の犠牲を払うオーナーたちを生まないように、しっかり地に足を付けた経営をマクドナルドにはしてほしいですね。
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マクドナルドの今後
マクドナルドは、一気にフランチャイズ店が消えるかもしれないと噂されたことで、危機感を感じ、現状を打開するために、2015年4月中旬に再建策『ビジネスリカバリープラン』を打ち出しました。
しかし、実際のところは具体的なロイヤリティの引き下げなど、フランチャイズ店にとってプラスになるような改革が行われませんでした。
計画通り、131店舗を閉店に追い込むだけのプランと化してしまっているようです。
地域に根ざして、本部を3つに増やしたという話ですが、結局は本部そのものの言いなりになっていることに変わりはなく、大して変化もないというのです。
それどころか『ますますきつくなっていくだけ』と言うオーナーも多いようですね。
さらにマクドナルドは『ママズ・アイ・プロジェクト』を実施し、公募によって選ばれた母親たちを工場に招き入れて、
マクドナルドの食の安全を母親たちの目で確認してもらおう
という試みも打ち出し始めたそうです。
しかし、結局は消費者たちから
『何がしたいのか分からない』
『こんなことで信頼が回復するわけがない』
と吐き捨てられ、逆に逆鱗に触れてしまう始末。
マクドナルドのフランチャイズオーナーたちも、これには苦言を呈しているらしく、一応、二度ほどミーティングは開催されたみたいですが、結果は何一つ付いていないようですね。
簡潔に言えば、ただの見掛け倒しで、真剣に改革する気などなかったことが改めて分かりました。
その上、マクドナルド100店舗を閉店。
ずれ込んだ残りの31店舗も2016年に確実に閉店させると、閉店させることばかりに目が言っているように見えます。
よくこれで”改革”と言えたものだと言いたくなるばかりです。
これではフランチャイズ店の撤退及び、マクドナルド本体が倒れるのも時間の問題ではないでしょうか。
少なくともフランチャイズ店のオーナーたちは、できる限り与えられた条件内で、何とか経営を軌道に乗せようと努力しています。
コストカットや人件費削減など、できる限りの対策を講じています。
それでも限界はありますし、会社(マクドナルド本部)そのものが、しっかり地域に根づいた改革をしなければ、いくら末端のフランチャイズが頑張っても何の意味もありません。
ただの1店舗だけの努力だけでは、どうにもならない問題なのです。
マクドナルド本部が、その事を深刻に受け止めていなければ、もうどうにもならないところまで、事態は最悪の方向に突き進んでいます。
それなのに、ロイヤリティ引き下げの話すら聞かれない…
筆者もコンビニ経営者と、実際に話す機会があったので、サービス業の裏側を多少なりとも知っていますが、正直な話、この不景気な時代に経営陣の無茶な要求は、ますますエスカレートしているように感じます。
そして、その要求を実現するために、フランチャイズオーナーたちは、さらには末端のアルバイト従業員達に無理難題を押し付けてしまっています。
全てとは言いませんが、”大手”と言われるところほど、このような悪循環は顕著に見られ、肝心のお客様への心遣い・サービスが欠けていく傾向にあるようなのです。