
住宅を購入するタイミングとしては、結婚してから、子供が小学生になるまでのあいだに、購入を検討する人が多いと思います。
購入後には、住宅購入のために頭金を支払ったことで、貯金額が大幅に減り、経済的に余裕のない状態が、しばらく続くことが予想されます。
さらに共働きのご家庭であれば、奥さんが出産のために産休・育休を取るケースだってあるでしょう。
出産後、思ったように職場復帰ができないために、家庭の収入が大きく減ってしまうこともあるかもしれません。
当然、子供が生まれた場合は、子育てに必要な用品を買い揃えたり、保育園・幼稚園に通わせたり……と、予想以上の出費が重なるでしょう。
最近は、子供手当などの助成が数多くありますが、それでも出費がかさむことが多いと言われています。
出費がかさむ一方で収入が減ってしまうという最悪の状況も大いに考えられます。
つまり、とくに結婚から子供が小学生になるまでという時期は、住宅を購入するタイミングであると同時に、
- 家庭の収入と支出が不安定な状態が続く
- 子供関係の出費が予想しづらく、貯金の見通しが見えにくい
というように、経済的に危なくなりがちな時期でもあるのです。
そんな中で、住宅ローンの繰り上げ返済だけにドンドンお金を使っていると、
「本当に必要な時にお金がない!」
なんて事態に陥ってしまうかもしれません!
それだけならまだしも、繰り上げ返済のし過ぎで、
翌月に支払うお金がなくなって、住宅ローンの返済が滞ってしまった
なんてことになったら、目も当てられません。
また、家族の中で、もし誰かが大きな病気にかかってしまったら、家計はボロボロになり、ひとたまりもありません。
これは、専門家の意見としても多く聞かれることですが、あらゆる事態を想定し、未来の家計のリスクを回避するためにも、
無理して住宅ローンの繰り上げ返済はせずに、なにかあっても安心ができるまで貯金をする
ことを考えましょう。
そして、臨時収入などで、手元に自由に使える資金が残っていることを前提に繰り上げ返済をするように心がけてくださいね。
住宅ローンを急いで繰り上げ返済する必要はない?
あくまで住宅ローンの繰り上げ返済は、余裕ある金額から返済することが一般的です。
ただ、慌てて繰り上げ返済する必要性は低いといえるのです。
たとえば、3,500万円の住宅ローンが35年の利息1.5%である場合、
- 借り入れ1年後に100万円の繰り上げ返済
- 借り入れ5年後に100万円の繰り上げ返済
の二つのパターンを見てみると、減額された返済額の総額は、
1年後の場合で約63万円、5年後で約53万円と、たった10万円しか損をしていない
ことになります。
早めに繰り上げ返済をした方が、たしかに利息の軽減は大きいです。
しかし多少繰り上げ返済が遅くなったとしても、
大損をするわけではない
という事を、まず理解しておいてください。
その上で、
- 結婚したてで、出費がかさむ時に、繰り上げ返済
- 結婚して子供が生まれ、ある程度生活が落ち着いて、お金にゆとりができてから、繰り上げ返済を行う
この二つの状況であれば、誰が見ても圧倒的に後者のほうが精神的に楽ですよね。
そして精神的に楽をしたからといって、軽減される金額に大きな差ができるわけでありません。
繰り上げ返済が、20年後であれば、また状況も変わってくるのかもしれません。
ただ毎年毎年無理して繰り上げ返済をする必要はありません。
つまり、住宅ローンの繰り上げ返済については、
「無理をしてでも、早めに返済したほうがいい」
という方針よりも、
「貯金を優先して、家計が落ち着いてきてから、繰り上げ返済を考える」
としたほうが、得策です。
繰り上げ返済をすることによって、発生するリスクの軽減、あるいはお金の損得の面から見ても、一番バランスの良い選択肢なのです。
このことを理解し、くれぐれも後に生活を破綻させしまうことのないように、しっかり余裕を持って、繰り上げ返済を活用してくださいね。
まとめ
今回は、住宅ローンの繰り上げ返済の2つの返済プランと、メリット・デメリット・注意点を紹介していきました。
住宅ローン繰り上げ返済による返済額の減額や、返済期間の短縮などのメリットは確かにあります。
とはいえ、無理して繰り上げ返済をする必要はなく、あくまでしっかり貯金した上で、余裕を持って行えば、それで十分です。
近年は、外貨為替や株式投資などを活用して資産運用にお金を回している人もいます。
繰り上げ返済だけが全てというわけではありません。
あくまで一つのプランとして、賢く活用するように心がけ、繰り上げ返済を用いて、無理なく得をしてくださいね。
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