
娘も授かり、とても幸せな生活をしていたのですが…。
この後、すみれの人生は大きく狂ってしまうこととなるのです。
それが、戦争のはじまりでした。
家は焼け、戦後にはこれまでの財産が全て没収…。
夫の紀夫は、まだ戦地から帰ってこず、娘と二人途方にくれているすみれ…。
これまで幸せだったはずのすみれの生活は、一転して地獄を見ることになってしまうのです。
とはいえ、すみれは一児の母親です。
苦しいと嘆いてばかりはいられません。
幼い子供(娘)を育てながら、なんとかして、生活していかなければならないのです。
そこで、義理の兄である潔や五十八の助言を借りて、幼少の頃から好きだった手芸を活かして、子供服づくりを始めていくことに…。
すみれは、仲間の女性や夫と、時にはぶつかりながらも起業し、やがて宮内庁御用達にまで認められるようになります。
そして、日本初の総合子供用品店をオープンさせるまでに成長することとなるのです。
以上が、NHK朝ドラ『べっぴんさん』のおおまかなストーリーあらすじとなります。
小さな頃から好きだった刺繍や手芸が、人生のどん底に陥ったすみれを支えることとなる…。
まさに、○○好きが転じてなんとやら、ですよね。
みなさんも、自分の好きなことを大切にして生きていくと、いつかそれに愛情を注いだ分が、何かしら良い結果として返ってくるかもしれませんよ。
追記:2017年7月19日 ストーリー結末
筆者個人の感想としては感動的な結末を迎え、最終回の中でも、いくつかのドラマが描かれていた印象です。
では、あらためて、べっぴんさんの最終回で描かれている結末を簡単に振り返ってみましょう。
- 坂東すみれ(役:芳根京子さん)
- 小野明美(役:谷村美月さん)
- 小澤良子(役:百田夏菜子さん)
- 村田君枝(役:土村芳さん)
の四人は、すみれの孫で写真に興味を持つ少女・藍(役:渡邉このみさん)に写真入れを作り、プレゼントします。
そこには、彼女たちが立ち上げた子供服メーカー『キアリス』のトレードマークであるクローバーが刺繍されていました。
すみれは、そのクローバーの4つの葉には、それぞれ意味があると、母・はな(役:菅野美穂さん)から教わったことを、藍にも語り始めます。
その意味とは、
勇気・愛情・信頼・希望
を指し示し、
「これらが全て揃って初めて幸せになれる」
と、すみれはキアリスの根幹としても大切にしてきたことを藍に教えます。
そしてその思いを受け継いでいくのです。
場面は変わり、キアリスを立ち上げた靴屋『あさや』で、キアリス35周年パーティーが催されることとなりました。
この『あさや』の主人・麻田茂男(役:市村正親さん)は既に他界しています。
『あさや』の2階が明美の住居、1階が良子の夫・小澤勝二が定年退職後にやってみたいとオープンさせた
喫茶店『名前のない喫茶店』
へと生まれ変わります。
また、明美自身、岩佐栄輔と結婚し新居で生活を始めたため、2階は空室となり、完全なる喫茶店として歩み続けることとなります。
さて、話を35周年パーティーへと移します。
名もない喫茶店で催された、この『キアリス』35周年パーティーは、すみれの夫・坂東紀夫(役:永山絢斗さん)から社長の座を譲り受け、
すみれ達が引退したあとのキアリスを社長として守り続けてきた足立武(役:中島広稀さん)
の引退祝いも兼ねていました。
武はキアリス35周年という節目を機に、紀夫の娘婿である村田健太郎(役:古川雄輝さん)に社長の座を譲るつもりでいたようです。
そのお祝いの席に藍がやってきて、すみれに、友だちの分も写真入れを作って欲しいとお願いします。
すみれたちは喜んでその願いを受け入れます。
一方、娘のさくら(役:井頭愛海さん)は、幼少の頃、非常食として栄輔に貰った小豆を使い、赤飯のおにぎりを作って、栄輔に感謝の念を表します。
そのおにぎりを食べて感慨深く当時を思い返す栄輔…。
そうして、35周年パーティーは盛大に終わり、すみれ達が築き上げてきたキアリスのバトンは健太郎たち新たな世代へと受け継がれていったのです。
そして、場面は変わり、坂東家で藍の友人たちの写真入れを作るすみれたちが映し出されていきます。
藍から友人たちの性格や好きなものなど聞いていたすみれたちは、一人一人に想いを込めて刺繍し写真入れを作り上げていくのです。
ふと、
「私も欲しい」
と良子が言い始め、すみれの提案で、それぞれの写真入れを刺繍することに…。
良子にはエプロンが、君枝には色鉛筆、明美にはハート、そしてすみれにはすみれが施された刺繍入りの写真入れが完成します。
その写真入れをそれぞれ贈り合い、喜ぶすみれたちは、これまで築き上げてきた友情を、改めて確認し合うのでした。
そして、数日後、ゆり(役:蓮佛美沙子さん)夫婦、さくら一家、すみれ一家でピクニックに出かけます。
その場所は、神戸市内が一面見渡せる場所として、すみれが幼少の頃からお気に入りだった丘でした。
その丘に、みんなでピクニックに出かけ、すみれがさくらに刺繍を教えている傍ら、藍が4つ葉のクローバーを見つけるという微笑ましい時が流れます。
そして、藍が差し出した4つ葉のクローバーを眺めながら、すみれは、
自分の人生は、勇気・愛情・信頼・希望に満ち溢れた素晴らしい人生だった
と振り返るのでした。
と、以上が最終回で描かれた朝ドラ『べっぴんさん』のストーリー結末となっています。
この最終回も含まれている最終週は、サブタイトル『エバーグリーン』と題されています。
まさにそれは、あの丘を象徴とするサブタイトルではなかったかと、改めて思います。
もちろん、ただ緑というだけではありません。
不朽という意味を持つこのワードから、
変わりなき友情、色褪せることなく子や孫へと受け継がれていく想い・愛情
などが、この”エバーグリーン”という言葉に込められていると筆者は受け取りました。
戦争によって焼け野原となり、何もかも失ってしまったすみれです。
それが、色んな人の助けを借りながら、
母・花から受け継いだクローバーに込められた想い(友情・愛情・信頼・希望)を大切に育み