
遊離軟骨(関節ねずみ)の治療方法は?
上記で紹介したように、遊離軟骨(関節ねずみ)は、とても厄介な病気。
このため、遊離軟骨(関節ねずみ)が見つかると、まず治療を考えるわけですが…。
遊離軟骨(関節ねずみ)には、どんな治療法があるのでしょうか?
遊離軟骨(関節ねずみ)の治療法は2つあり、
- 手術療法
- 保存療法
の2つです。
保存療法はそのままの意味。
とくに軽度の遊離軟骨(関節ねずみ)の場合や、身体が成長期の人に対して処置することが多いみたいですね。
そしてもう1つが、手術療法。
関節鏡と呼ばれるものを使う、
『関節鏡視下手術』
によって治療をおこないます。
この手術をおこなうと、遊離した欠片が小さければ、だいたい約1時間ほどで手術は終わります。
通院も、1日~数日程度の入院で済むので、治療する人にとって、大きな負担にならないのが特徴的。
ただし、遊離体が大きくなってしまうと、関節を開いて取り除かないといけなくなり、大事になります。
なので、遊離軟骨(関節ねずみ)が見つかったら、基本的には早めに手術を受けることをおすすめします。
このように、基本的に遊離軟骨(関節ねずみ)は、手術をおこなうべき病気ですが、野球選手などを見ていると、
「手術をしない」
という人もいますよね。
ロッテの涌井投手などはその例。
彼は、2011年頃に遊離軟骨(関節ねずみ)が見つかりましたが、手術を回避しました。
では、なぜ人によって、遊離軟骨(関節ねずみ)で手術をしない選択をするのでしょうか?
遊離軟骨(関節ねずみ)の手術をしない理由
遊離軟骨(関節ねずみ)の手術回避と言えば、先ほど少し触れた小笠原慎之介投手も、当初は
「手術回避か」
と言われていました。
しかし、最終的には手術に踏み切りましたね…。
では、なぜ人によって遊離軟骨(関節ねずみ)の手術を回避するのでしょう?
その理由を調べてみると、スポーツ選手にとっては悩ましい問題があることがわかりました。
というのも、遊離軟骨(関節ねずみ)には、
遊離軟骨ができやすい人がいて、手術をしたとしても再発する恐れがある
からです。
たとえばプロ野球では、肘の使い方が上手い投手には、遊離軟骨(関節ねずみ)ができやすいとのこと。
オリックスの金子千尋投手は、何度も遊離軟骨(関節ねずみ)ができてしまい、2回も手術を受けています。
小笠原慎之介投手が、遊離軟骨(関節ねずみ)の手術を悩んでいた理由には、
仮に手術をしたとしても、再発したり、手術前のピッチングができなくなってしまうこともある
といったリスクとの相談があったわけですね。
この遊離軟骨(関節ねずみ)を巡る手術論争を語る場合、1つの例に挙がるのが、先ほども触れたロッテの涌井投手です。
涌井投手は、遊離軟骨(関節ねずみ)の手術を回避し、保存療法を試みました。
しかし、保存療法で肘の痛みを回避するため、涌井投手は肘をかばうような投球フォームになってしまい、西武時代、一時期不振に陥ってしまったのです。
ただ、2015年には、遊離軟骨(関節ねずみ)が、別の箇所に遊離したためか、以前の安定したフォームで投げられたため、全盛期のピッチングを取り戻しました。
このように、遊離軟骨(関節ねずみ)が暴れ回らなければ、何の影響もないことから、選手によって、手術を回避することもあるのです。
遊離軟骨(関節ねずみ)というのは、われわれ一般人としては、すぐさま手術をした方が良い病気です。
しかし、プロスポーツ選手となると、遊離軟骨(関節ねずみ)の手術をするか否かというのは、今後のことも考えた場合、なかなか難しい選択ですね。