
ごく最近になってからのことですが、
天皇と上皇
という言葉がよく聞かれますね。
この天皇と上皇とは、どこがどのように違うのでしょうか。
天皇はともかく、上皇とは現代では聞かれない存在です。
平安時代やそれ以降の中世では、しばしば存在してきました。
というのも最近、上皇という言葉が聞かれるようになったのは、2016年8月の天皇陛下の退位のお言葉以来なのです。
天皇の退位と上皇とは、どんな関係があるのか。
そこで今回は、天皇と上皇の違いを解説し、また天皇や上皇の歴代の政治的役割や役目を調べてみました。
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今上天皇の退位問題
天皇と上皇について書く前に、その言葉が聞かれるようになった原因である、天皇陛下の退位の問題について、簡単に書いておきましょう。
ことの起こりは、2016年8月8日に天皇陛下のお言葉が、ビデオメッセージの形で公表されたことからです。
そのビデオメッセージの中で天皇陛下は、
「高齢のため公務に支障が生ずる恐れがある」
という内容のお言葉を、語られました。
つまり、生前退位のご意向を語られたのです。
その後、政府においては、天皇の生前退位について、様々な検討が行われ、2017年6月9日に
天皇陛下の退位を一代限りで認める特例法
が成立しました。
その際には、退位した天皇の名称をどのようにするかなどの問題もあり、有識者会議なども開催されました。
そして、
天皇の退位後の名称は『上皇』
とするという案が、ほぼ決定的になったのです。
こうして、現代では使われない『上皇』という言葉が、復活したわけです。
ずいぶん前の事になりますが、筆者は昭和天皇がアメリカを訪問された際のテレビを見たことがあります。