
俳優としてのいかりや長介さんと言えば、多くの方は、テレビドラマシリーズ『踊る大捜査線』の和久平八郎、ドラマ『GOOD LUCK!!』の新海良治を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
踊るシリーズでは、織田裕二さんが演じた主人公・青島俊作や、ユースケ・サンタマリアさんが演じた真下正義たちの先輩刑事として、ある意味、親父的存在のキャラクターとして、ドラマを支え続けていました。
頑固故に、最新技術のデジタル操作には目もくれず、
『刑事は自分の足で捜査するもの』
と信念を曲げずに、刑事魂を貫いてきた叩き上げの刑事として、多くのドラマファンから愛されました。。
一方で、『GOOD LUCK!!』では、木村拓哉さんが演じた主人公・新海元の父親として、昔気質なキャラクターでありながらも、主人公・元に対して、時折助言したり心配したりする一面も見せ、良い親父という印象…
あくまで個人的な見解でしかありませんが、この二つのキャラでは、いかりや長介節炸裂といった印象を受けます。
脇役でありながら重要なキーパーソンとして愛され続けていたことは間違いありません。
それだけに、この『猪狩文助』というキャラクターとのギャップ・違いが大きいところです。
また、新たないかりや長介さんの演技の深さを痛感させられたキャラクターでもあります。
当時、筆者のいかりや長介さんの印象としては、俳優というよりも
コメディアン
という印象が強かっただけに、そこまで演技力の高い俳優とは観ていませんでした。
しかし、いかりや長介さん主演の『弁護士猪狩文助』は、それまでの筆者の浅はかな考えを一新させられ、彼の魅力を突きつけられた作品だったように思います。