イニシエーションラブの映画と原作との違いは?ネタバレも!

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イニシエーションラブ


強引に映画化したものの、結局意味がわからないで終わってしまった、と言うような印象を”当初”は『イニシエーションラブ』に持っていたのです。

しかし、それは大きな誤解であり、これほど映像化して大成功した映画は、そうそうお目に書かれないのではというくらい、

伏線の張り方から視聴者の騙し方まで

細部に、かなりの拘りを持っていることが、あとになって気付かされました。

劇場公開当初から

『あなたはきっと2回観る』

と宣伝はされていましたが、その意味がやっとわかった気がします。

この映画は、真相が分かってからが、本当の見どころなんです。

ぼんやり観ていて、意味不明となりながらも、最後の5分のどんでん返しで判明する答えを確認するために、もう一度繰り返し見ると、

『なんでこんなことに気づかなかったのか?』

と思うほどの伏線(ヒント)が随所に張り巡らされていたのです。

大きなミスリードがあるがゆえに、最初に観たときはその事に気がつかない…

その衝撃は大きく、自分の間抜けさに愛想をつかしてしまうほどのショックを受けるでしょう。

でも、改めてすべての謎がわかると、実にスッキリして心地よくさえ感じます。

それでは、改めてこの映画『イニシエーションラブ』のストーリーを振り返ってみたいと思います。

SideA

友人の誘いで、人数合わせのために駆り出され、仕方なく合コンに参加した鈴木。

その席に、たまたま出席していた、歯科助手の成岡繭子(役:前田敦子)に、一目惚れしてしまいます。

繭子もまんざらではないのか、鈴木がトイレに立ったあと、こっそり

「この後、二次会でカラオケ行くんですけど鈴木さんも来てくれますよね?」

と確認してくるのです。

もう鈴木は舞い上がり、それ以降、どこか繭子のことを意識し始めてしまうのです。

さらに後日、

「合コンメンバーで海に行くことになったが来ないか?」

と友人に誘われます。

8月2日、その海に鈴木も出かけることに…

当然、繭子もその海に来ていて、鈴木に急接近するのです!

どういうわけか数字の話になり、何故か、繭子の方から自宅の電話番号を教えてくれる、という嬉しい誤算も。

そして、8月7日、ついに鈴木が繭子の自宅に電話を掛けて、2人はデートすることに…

当初は、全くオシャレとは無縁の世界にいた鈴木だったのですが、繭子のアドバイスを受け、徐々にオシャレにも目覚めていきます。

そして、交流を深めていきながら、ある食事デートの席で、急に繭子が

「鈴木さんのことをあだ名で呼びたい」

と言い始め、鈴木の下の名前の『夕樹(ゆうき)』の”夕”の字がカタカナの『タ』に似ていることから、

夕樹 ⇒ たき ⇒ たっくん

と呼ぶように命名するのです。

鈴木は、完全に繭子の言いなりとなり、それ以降は常に

たっくん

と呼ばれることなって、さらに愛を深めていくのです。

そして、9月に正式に交際することとなり、親密な中になっていった中、迎えた12月のクリスマスイブのデート…

鈴木と繭子が街中のクリスマスツリー前ではしゃいでいると、別のカップルが

「あのカップル釣り合っていないよね…」

と揶揄し始め、少し気まずい空気が流れてしまいます。

その空気を察した鈴木は、繭子を幸せにするために、

ダイエットして格好いい男に変身する

と誓いを立てるのですが…

SideB

場面は変わって、6月19日、ある静岡の郊外を

ランニングする鈴木

の姿がそこにありました。

鈴木は、繭子との約束のために、ダイエットに励んでいたのです。

車の免許も取り、就職も決まり、繭子との人生を謳歌しようとしていました。

しかし、そんな鈴木に対して、会社から

東京転勤

の辞令が飛んでしまいます。

鈴木は、繭子に頻繁に会いに来ることを約束しながら、遠距離恋愛がスタートします。

そして、鈴木は東京へと転勤していってしまうのです。

最初は、遠距離恋愛も順調ですが、何度も繰り返す東京と静岡の往復に疲れたこともあり、勤務先の

石丸美弥子(役:木村文乃)

に惹かれ始めたことも合わさって、鈴木は、東京では美弥子と、静岡では繭子と、交際を続けてしまうのです。

その一方で、繭子の妊娠が発覚…

鈴木は、悩みながらも繭子に堕ろさせ、自分はまた東京に帰ります。

そんなことを繰り返すうちに、繭子への愛は冷めてしまい、鈴木はいつしか美弥子へと乗り換え、繭子と破局してしまうのですが…

以上が、この映画『イニシエーションラブ』の軸となる二つのストーリーとなっています。

ここでは、あくまでざっくり語っていますので、少しわかりづらい部分もあるかと思います。

ただ要は、

鈴木が二股した

という話と、この時点では理解できるでしょう。

それだけに、

『これのどこがミステリー?』

と言いたくなってしまうと思います。

しかし、『イニシエーションラブ』の話は、ここで終わりではありません。

実は、最後の5分間で、この二つのストーリーが見事にシンクロし、同一人物と思われていた鈴木が、別々に登場してきます。

それまで、二股のドラマと想像し観ていた観客たちが、一気に混乱に陥るわけです。

その部分は、後ほどたっぷり伏線部分を絡めてお話していきますが、まぁ実によく出来た映画だと言えるでしょう。

実際に、『イニシエーションラブ』は、DVDレンタルで観ることが出来ますので、もし気になる方は一度御覧ください。

この後に語るネタバレを観てから、答え合わせのようにして映画を観るも良し、あえてネタバレを読まずに観てみるも良し、それは皆さんの自由で良いと思います。

どのような方法で観たとしても、『イニシエーションラブ』は、何度も繰り返して観たくなる映画であることは間違いありませんので、いろんな意味でおすすめですよ。

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『イニシエーションラブ』の結末ネタバレと原作との違い

何気なくこの『イニシエーションラブ』という作品に触れると、どう見ても、ただの恋愛ものの映画です。

ミステリーでも何でもないと言われそうな映画『イニシエーションラブ』。

先程もお話したとおり、作家・乾くるみ先生の同作小説を原作とした映画ですが、その拘りは非常に強く、この作品を映画化するにあたって、乾くるみ先生からも、

太っている人の起用

を『イニシエーションラブ』映像化の絶対条件として提示しています。

しかしそのことで、『イニシエーションラブ』が映像化しても、違和感なく多くの映画を観た観客を騙すことに成功しました。

では、最後の5分で何が起こったというのか。

まずは映画『イニシエーションラブ』の結末ネタバレから見ていきましょう。

映画『イニシエーションラブ』の結末ネタバレ

繭子と破局し、鈴木は美弥子と正式に交際します。

そして、12月24日クリスマスイブは、美弥子の実家で過ごすことになります。

ただ鈴木は、一方的に別れたはずの繭子のことが気になり、もしかしたら24日の約束もキャンセルになったことを知らずに、

『繭子がずっとホテルで待っているのでは?』

と気になり、繭子の元に駆け寄るのです。

原作『イニシエーションラブ』では、

美弥子が、鈴木の下の名前を言うこと

で、全てが明らかにされていきます。

そのため、美弥子の実家で、クリスマスイブを過ごしている先のストーリーは一切描かれていません。

ただ、映画『イニシエーションラブ』では、さらにシーンが進み、これまで一人だけだったはずの鈴木が、12月24日のクリスマスデートの場所でもう一人と遭遇するのです。

もう一人の鈴木(辰也)は、12月24日の約束がキャンセルされていないと繭子が錯覚しているのでは?と美弥子の自宅から猛スピードでやってきて、もうひとりの鈴木(夕樹)は、普通に繭子とデート…

そして、ラストで

2人の鈴木

がぶつかり合ってしまい、繭子が

「大丈夫ですか?」

と声を掛けた男が、もう一人の鈴木であることに気が付き、全てが大混乱となる中、伏線が振り返られ、そこで初めて

繭子も二股していた

という事実が突きつけられ、繭子の笑顔で映画が幕を閉じるのです。

以上が、映画『イニシエーションラブ』の結末ネタバレです。

正直、鈴木が2人いた、とは誰も気が付かなかったことでしょう。

そのため、この最後の5分でほとんどの方が、大混乱となってしまうのです。

『この作品のトリックは、SideAで主人公が太っていて、SideBにストーリーが変わっていく過程で痩せていくことが描かれていないとダメ…』

と、原作者である・乾くるみ先生が映像化の最低条件を突きつけていたのですが、それ以降、その通りに観客は彼女の手のひらで踊らされてしまうのです。

シーンは、1986年4月25日に鈴木辰也(SideB主人公)と繭子たちが合コンした時代にリフレインします。

そこから、時系列で

SideAとSideBのストーリーがシンクロ

し、約2年間(ただし重なっている部分は1年)を進んでいた事実だったことが明かされ、全ての伏線が明らかになっていくのです。

では、その伏線もネタバレしていきます。

SideAの鈴木辰也は物理専攻でSideBの鈴木夕樹は数学科専攻だった

繭子の自宅で、アインシュタインの『アインシュタインの世界』という書籍が本棚に置いてあったんですが、普通、女の子の部屋にアインシュタインは不釣り合いですよね。

繭子が物理に精通しているのならまだしも、彼女は歯科助手(看護師)でしか無く、物理とは縁もゆかりもない女性です。

では何故、こんな本が彼女の自宅においてあるのか…

きっと夕樹も気になっていて、なんとなく触れたのでしょうね。

その前のシーンで、繭子は『本が好き』という話をしていたので、その延長線でごまかされてしまいました。

しかし今になってみれば、これは『辰也の影響』と理解することができ、なるほどといった話です。

そもそも、辰也は物理学を専攻していた学生だったのです。

それは、美弥子たちと、合コンをした際に出席した女の子が舞台をするために、観覧しに行っていたシーンでも物理学というフレーズが随所で登場していることが分かります。

これは同時に描かれているわけではないので、スルーしやすいのですが、海岸で夕樹達と遊んでいた際には、数学科と言っていたのに、物理学とはおかしな話ですよね。

冷静に見てみれば、この時点で鈴木辰也は物理学を専攻していた人物であり、鈴木夕樹は数学科専攻の人物と

完全なる別人だった

ことが分かるわけです。

まぁ、映画を観て、一発でこのことを見抜ける方は、かなりクールな方と言えるでしょうね。

12月24日のクリスマスデートでのプレゼントが靴だった一件

これも、実に不思議で、

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